1990 Fiscal Year Annual Research Report
傍脊柱筋の髄節性神経支配の解明と、診断学への応用に関する電気生理学的研究
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02807139
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
谷 俊一 高知医科大学, 医学部, 助教授 (90136250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
為貞 建臣 徳島大学, 工学部, 教授
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Keywords | 傍脊柱筋浅層 / 髄節支配 / 髄意収縮 / 伸張反射 / 髄節反射 / 長径路反射 |
Research Abstract |
1.対象と方法 (1)傍脊柱筋の伸張反射の記録:健常男性13名を対象とし、被験者を腹臥位とし、表面電極(直径11mm)をT5/6〜L4/5の合計8か所の棘突起間レベルで正中から右側へ3.5cm(関電極)と9cm(不関電極)の部位に設置した。随意的に躯幹を背屈させる際、今回作成した背筋張力測定及びデジタル表示装置を用い、最大張力の約20%に維持させた。この状態で棘突起間正中をreflex hummerにて用手的に叩打(TAP)し、12対の記録電極から得られるresponseを50回のaveragingの後に記録した。(2)死体解剖における神経根長の計測:2体において、T1からL5までの各後根の長さ(神経根糸〜後根神経節)を測定した。2.結果(1)1か所の棘突起間をTAPすることにより、全ての棘突起間レベルから2種類のresponse(R1とR2)が記録された。(2)R1は、TAPレベルが記録レベルから離れるほど、R2はTAPレベルが尾側であるほど潜時が延長する。(3)TAPレベルと同一レベルからの記録では、R1、R2ともに、尾側レベルほど潜時は延長し、しかも、その延長の程度はR2でより著名であった。(4)後根長の計測では、下位胸髄根、腰髄根においては尾側レベルほど長く、下位腰髄根は中位胸髄根の3.5〜4倍の長さであった。3.考察R1をsegmental reflex、R2をmore rostral reflexと考えると、上記のほとんどの結果は確明できる。ただ、下位腰椎(L3/4やL4/5)レベルでの潜時を中位胸椎(T5/6やT6/7)レベルでのそれと比較すると、R1は約1.5倍、R2は約1.8倍であり、後根長の計測結果に矛盾する。このdiscrepancyの原因として、傍脊柱筋浅層の髄節支配のoverlappingや棘突起高位との間のずれ、などが考えられる。この点を解明するために、今後、同芯型針電極による記録が必要である。これが解明された後、motor cortex刺激による傍脊柱筋の活動電位を記録し検討する予定である。
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[Publications] Toshikazu Tani: "Reflexes evoked in various human muscles during voluntary activity" Spinal Cord Monitoring and Electrodiagnosis. 226-236 (1990)
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[Publications] 木田 和伸: "Spinal dysraphismにおける脊髄機能障害に対する電気生理学的検討" 臨床整形外科.