1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02807150
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
吉沢 浩志 新潟大学, 医学部・附属病院, 講師 (50158424)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高桑 好一 新潟大学, 医学部, 助手 (80187939)
|
Keywords | 胎便吸引症候群 / 胎内治療 / 胎児消化管運動 |
Research Abstract |
【目的】 胎便排出は胎児肛門括約筋の弛腸収縮運動の亢進によって引き起こされるとされているがその詳細は不明な点が多い。そこで臍帯血流量の減少に対するヤギ胎仔の直腸運動の反応を知る目的で臍帯圧迫による実験的胎仔仮死モデルを作成し、胎仔直腸消化管運動を観察した。 【方法】 在胎約120日のヤギ胎仔6頭を用いて生理的慢性実験モデルを作成し8実験を行った。実験的胎児仮死モデルを臍帯オクル-ダ-法により作成した。胎仔直腸蠕動運動はヤギ胎仔の直腸前壁に装着した消化管フォ-ストランスデュ-サを用い連続的に測定した。同時に胎仔心拍数、胎仔動脈血ガス値を測定した。 【成績】 (1)40秒圧迫、80秒解放の臍帯圧迫を15回反復することにより胎仔心拍モニタリングでvariable decelerationが出現し、胎仔動脈血Phは7.36±0.05から7.08±0.11とacidosisを呈した。(2)除脈に伴って出現する胎仔直腸内圧の一過性上昇(圧20mmHg,持続約20秒間)を観察した。この圧変動は臍帯圧迫の初期から反射的に出現し臍帯圧迫の終了により消失した。(3)胎仔acidosisの進行に伴って変化する2種類の直腸収縮波形を観察した。胎仔動脈血ガスの増悪に伴って棘波を伴った収縮波形の出現を認めた。(4)胎仔体重当たりの直腸収縮運動量は前値9.8±5.0gr・second/kg、圧迫15分値8.7±1.9gr・second/kg、圧迫後半15分値40.9±21.4gr・second/kg、回復期28.4±13.9gr・second/kgと変化した。(5)実験終了後胎仔が胎便で汚染されていることを確認した。 【結論】 臍帯血流量の減少により胎仔循環の血流再配分に下部消化管が虚血に陥り、直腸運動の亢進が引き起こされると推察される。
|
Research Products
(1 results)