直立姿勢と立位運動時の重心動揺解析による体平衡評価に関する研究

1992 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 02807159
• Research Institution: Kitasato University
• Principal Investigator: 徳増 厚二 北里大学, 医学部, 教授 (70050375)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 藤野 明人 北里大学, 医学部, 講師 (00156895)
• Keywords: 重心動揺計 / 足踏検査 / 遊脚相 / 立脚相 / 直立体幹運動 / 足圧中心 / 重心動揺図 / 確立密度分布

Research Abstract

重心動揺計により検査台の上での各種の直立動作を計測し、Deta recorderの記録をSignal processor7T08、ならびにAD変換し、PC-9801 Computorに転送し、10-50msecにsampling timeを変えて解析した。
足踏み:両側上肢を体側につけたまま、大腿を45度まで挙上し、60歩の開眼足踏み運動を計測した。足挙上時には足圧中心(center of foot pressure、CFP)は前方対側へ移動し、足降下時には再び後方対側へ向かい接床する。足踏みの繰り返しではこれを反復し前後方凸の円弧を描く。CFPは立脚相の始まりで最も外側に位置し、その後やや内側前方へ移動し再び外後方へ戻り遊脚相に備える。遊脚相ではCFPの急速な対側への移動がみられる。その間挙上足の上昇時には急速に前方へ、降下時には急速に後方へ移動する。歩行では遊脚相の最後に踵で衝撃を受けそれが足底反射の引き金になるのに対して、足踏みでは足外側後縁で衝撃を受けた後、体重を足全体で支える機構が明らかにされた。確立密度分布ではY方向では、接床足を中心に2峰性の分布を、X方向では、接末足の位置を中心に1峰性の分布を示した。
開眼両脚閉足直立での頭部、体幹運動:体幹の左右傾斜、前後屈、左右捻転ではそれぞれX、Y、XY方向へ約8cm移動する、頭部運動のみではCFPの動きは小さく、特に頭部左右捻転では前後に小さく左右に明らかな運動がみられ、頚反射、半規管反射による、変化と推察された。
上記運動に、開眼での膝股関節の屈伸運動、飛行機型単脚直立を負荷し、その前後での閉眼両脚閉足直立を比較し、その直後には前後の動揺が大きく、CFP軌跡距離の増加をみとめたが、10分後には回復した。
各運動時のCFPの動きと同期した運動姿勢のビデオ連続撮影との比較 直立時抗重筋EMGの記録による解析を予定しているが、直立動作が全体的に捕らえられ、運動リハビリテーションの評価に利用出来る。

Research Products

• [Publications] 徳増 厚二: "めまい 平衡障害のリハビリテーション" Equilibrum Res.51. 443-448 (1992)
• [Publications] 徳増 厚二: "前庭神経炎後遺症" Equilibrum Res.Suppl.8. 143-147 (1992)
• [Publications] 新井 基洋: "See-Saw nystagmusの1症例" 耳鼻咽喉科・頭頸部外科. 64. 367-374 (1992)
• [Publications] 徳増 厚二: "耳鼻咽喉科疾患と治療剤・めまい" 医薬ジャーナル. 28. 1615-1618 (1992)
• [Publications] 徳増 厚二: "メニエール病はそれ程多い疾患か" 順天堂医学. 38. 337-347 (1992)
• [Publications] 徳増 厚二: "平衡感覚障害患者の主訴とその診断" 薬局. 43. 9-12 (1992)
• [Publications] 徳増 厚二: "耳鼻咽喉科・頭頸部外科Mook No.21めまいのみかた(分担) めまいの鑑別点" 金原出版株式会社, 5 (1992)
• [Publications] 徳増 厚二: "耳鼻咽喉科・頭頸部外科Mook No.21めまいのみかた(分担) めまい平衡障害のリハビリテーションとその評価" 金原出版株式会社, 6 (1992)