1990 Fiscal Year Annual Research Report
ラットに惹起した実験的歯周炎に対するコロニ-刺激因子(CSF_2)投与の効果
Project/Area Number |
02807174
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
石田 浩 徳島大学, 歯学部, 助教授 (90127803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 聖二 徳島大学, 歯学部, 助手 (80208157)
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Keywords | GMーCSF / 実験的歯周炎 |
Research Abstract |
本年度はマウス末梢血の正常血球成分の分析及びStreptococcus Sobrinusを高濃度に含む食餌で飼育した場合の歯肉の経時的変化を組織学的に検索することに主眼点をおいた。また来年度の本研究課題の主要な実験となるGMーCSFをマウス腹腔内に投与した後の血球成分の変動についての予備的な実験も行った。血球成分としては赤血球、および白血球成分である好中球.好酸球、好塩基球、リンパ球、そして単球について検索した。血液はマウスをエ-テル麻酔にて鎮静後、頚動脈より採取した。血液は採取後直ちにスライドガラス上にのせ、カバ-ガラスにて可及的に薄く伸展後乾燥し、常法に従いギムザ染色を施し顕微鏡下で各成分を算定した。各成分は全血球成分に対する百分率で表した。2匹のマウスの血液より作製した試料より無作為に約30視野を抽出した結果、好中球18%、好酸球4%、好塩基球0%、単球5%およびリンパ球59%であった。この数値はマウスの血球成分として一般的に認められている数値すなわち、好中球17%、好酸球1%、好塩基球0%、単球5%、リンパ球77%と比べると単球、およびリンパ球以外は極めて類似した数値と考えられる。しかしながら、歯周炎の確立にはマクロファ-ジと同一と考えられる単球、免疫応答の中心的役割を果すことで知られているリンパ球数の相違については注意する必要があると考えられる。なぜなら我々は予備実験において麻酔の深度と好中球数の低下とが相関する印象を受けている。言い換えると末梢血流量の低下(深麻酔)により好中球か血管壁に付着して(と推察できる)殆んどが検出できなかったからである。GMーCSF投与後の血球成分の変動が一定しなかった(デ-タ省略)こともこの麻酔の深度が実験により一定でなかった事によるかも知れない。現在無麻酔下で断頭による血液採取方法を行い白球成分の違いを検討している。
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