1991 Fiscal Year Annual Research Report
ラットに惹起した実験的歯周炎に対するコロニ-刺激因子(CSFs)投与の効界
Project/Area Number |
02807174
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
石田 浩 徳島大学, 歯学部, 助教授 (90127803)
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Keywords | 歯肉増殖症 / ニフェジピン / GMコロンー刺激因子 / ラット |
Research Abstract |
歯周炎の発症あるいは進行は局所における免疫応答の結果と一般的に理解されている。この免疫応答に中心的な役割を果たしているのは、造血幹細胞由来のマクロファ-ジ、リンパ球および好中球などであるが、歯周炎の消長と免嬰担当細胞の役割については充分解明されていない。本研究は顆粒球マクロファ-ジコロニ-刺激因子(GMーCSF)がこれら血球成分の増殖を刺激するという報告(Hammond et al.,1989)をもとに、歯周炎における免疫担当細胞の役割を明かにしようとしたものである。GMーCS投与群(5μg/kg/day)では抹消血中の好中球の占める割合は対照群に比較して約2.5倍もの増加を示したが単球あるいはリンパ球数では変化は認められなかった。そこで成人型歯周等の進行あるいは治癒過程にしばしばみられる歯肉増殖にこの成長因子がなんらかの役割を果たすのではないかと考へ後述するマウスの歯肉増殖の実験系を確立しこの成長因子の役割を追及した。すなわち、マウスに経口的にニフェジピンを投与(250mg/kg飼料)した場合、投与後30日目の血中濃度は643.5ng/mlとなり歯肉の増殖は50日を越えた頃より顕著に肉眼的に認められた(発症率100%)。である。GMーCSFは実験終了2週間前より投与しているが、未だ明確な知見はえられていないが、GMーCSF投与量および期間をさらに詳細に検討する必要があるものと考えられる。以上の実験によりGMーCSFあるいは好中球が歯肉増殖あるいは歯周炎の進行、治癒に果たす役割の一端が解明されるものと期待できる。なを、本研究結果の一部は第96回春期歯周病学会に発表予定である。
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