1990 Fiscal Year Annual Research Report
アパタイトインプラント埋入術におけるディレイ法の検討
Project/Area Number |
02807176
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小木曽 誠 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (70126217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩田 真 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90196353)
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Keywords | アパタイトインプラント / 骨性結合 / 骨の活性 / ディレイ法 |
Research Abstract |
アパタイトインプラントは周囲骨組織との骨性結合により機能負担能力を獲得するものであり、埋入後に骨治癒過程が障害あるいは遅延される場合,また、顎骨内部構造が脆弱で活性が低下している場合などでは骨性結合が成立せずインプラント適応の制限が余儀なくされる。そこで骨の活性の向上を期待すべくインプラント埋入の一定期間前にインプラント窩の一次形成を行うディレイ法を考案し動物実験を施行することにより以下の知見を得るところとなった。 実験には下顎両側P_3、P_4、M_1抜歯窩の治癒した成犬を用いた。まず左側に3個のインプラント窩を形成し、2週後再調整して2ピ-スインプラントの歯根部を埋入した。同時に右側に3個のインプラント窩を形成し歯根部を埋入した。埋入後5日,10日、14日で顎骨を摘出し樹脂包埋による未脱灰薄切研磨標本を作製し、組織学的観察を行い以下の結果を得た。 埋入後5日においてインプラント周囲の血管系は通常術式に比べディレイ法でかなり豊富にみられた。埋入10日以後におけるインプラント表面への新生骨の添加形成は、インプラント周囲に元来の骨梁が多い領域では両術式とも良好だった。インプラント周囲に元来の骨梁が少い領域では両術式に差が認められた。ディレイ法ではインプラント周囲にディレイ期間中に形成された骨梁が豊富に分布し、インプラント表面の広範な部分に添加骨が形成されていた。通常術式ではインプラント周囲に骨梁はあまり認められず、インプラントが線維組織と直接接する領域は認めれらた。またインプラント表面に形成された骨もディレイ法ではより厚く、埋入後2週で層板構造がみられた。 以上の結果から内部構造が脆弱化している顎骨にアパタイトインプラントを適用する際にはディレイ法が有効であり、適応範囲のいっそうの拡大の可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)