1990 Fiscal Year Annual Research Report
遊離型Oーホスホアミノ酸の体内動態とその生理的意義
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02807203
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
蒔田 政見 岡山大学, 薬学部, 教授 (60033156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 洋行 岡山大学, 薬学部, 助手 (80127555)
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Keywords | Oーホスホアミノ酸 / ホスホセリン / ホスホスレオニン / 生体内分布 / 体内動態 / 生理的意義 / 加齢 / リン酸化蛋白質 |
Research Abstract |
1.Oーホスホアミノ酸の選択的高感度分析法の開発 ホスホセリン(PーSer).ホスホスレオニン(PーThr)及びホスホチロシン(PーTyr)をNーイソブトキシカルボニルメチルエステル誘導体とし,リン化合物に高選択的な炎光光度検出ガスクロマトグラフィ-(FPDーGC)により高感度定量する方法を開発した。本法を用いれば,pgレベルのホスホアミノ酸を再現性よく定量することができ,また生体試料中の共存物質による妨害を受けることなく選択的に分析できることがわかった。 2.遊離型Oーホスホアミノ酸の体内動態の解析 FPDーGC法を用いて各種動物組織における遊離型ホスホアミノ酸含量を測定した。PーTyrはいずれの組織にも検出できなかったが,PーSer及びPーThrは動物種に関係なく広く分布し,特に肝臓,脾臓,膵臓,腎臓,胃などに比較的多く,筋肉,心臓,脳などには少ないことがわかった。また,一般にPーSerはPーThrより多く含まれているが,遊離型のSerやThrに比べ1/100以下であることがわかった。性差は腎臓で若干認めらた(♂>♀)が,その他は大差なかった。また0〜29週齢のマウスを用いて年齢差を調べたところ,脳,心臓,肝臓ではPーSer,PーThr共に加齢に伴い著しく減少し,6週以後一定のレベルに達するのに対し,腎臓では加齢に伴い増加し,6週以後一定のレベルに達することがわかった。以上より,組織中のホスホアミノ酸含量は発育期に変動し,成熟すると一定となることから,生体機能の発達との関連性が示唆された。 3.遊離型Oーホスホアミノ酸の生理的意義の解明 尿中遊離型ホスホアミノ酸の定量法を確立し,正常人における排泄量を測定した。尿中にPーSerが微量排泄されているが,PーThrやPーTyrは検出されなかった。今後,病態との関連性を解明するために,リン酸化が亢進する癌や痴呆などの患者の尿についても調ベていく予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hiroyuki Kataoka: "Occurrence of Free OーPhosphoserine and OーPhosphothreonine in Porcine Liver" Agricultural and Biological Chemistry. 54. 1731-1733 (1990)
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[Publications] Hiroyuki kataoka: "Distribution and Gontents of Free OーPhosphoamino Acids in Animal Tissues" Journal of Biochemistry. 107. (1991)
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[Publications] Hiroyuki Kataoka: "Analysis of OーPhosphoamino Acids in Proteins by Gas Chromatography with Flame Photometric Detection" Agricultural and Biological Chemistry. 55. (1991)