1990 Fiscal Year Annual Research Report
DNA増幅法(PCR法)による高多型性VNTRマ-カ-の単離
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02807212
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
時野 隆至 (財)癌研究会, 癌研究所・生化学部, 研究員 (40202197)
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Keywords | PCR法(DNA増幅法) / RFLP(DNA多型性) / 高多型性VNTRマ-カ- / ヒト・ゲノム |
Research Abstract |
1.高多型性を示すVNTRマ-カ-のコンセンサスな塩基配列として5'GGNNGTGGG3'という9塩基が報告されている。この配列を利用して効率よくVNTRマ-カ-を単離することが可能かテストした結果、この9merをプロ-グとしてゲノムライブラリ-をスクリ-ニングすることかなり効率よくVNTマ-カ-を単離することができた。 2.ゲノムDNAを環状にした後、5'GGNNGTGGG3'と5'CCCACNNCC3'をプライマ-にしてVNTRの両側の隣接した塩基配列がPCR法により増幅可能かどうかテストした。PCR法によって増幅したDNA断片をプラスミド・ベクタ-に組込んだ結果、50ngのDNAから30個の組換え体DNAを得ることができた。サザン解析により、このうち1クロ-ンはVNTマ-カ-であった。 3.さらに効率を高くするために、以下のように改良を試みた。 (1),二本鎖結合反応および伸長反応の温度と時間について最適条件を検討した。 (2)PCR法では、分子量の小さいものが優先的に増幅される傾向がある、ところが低分子のPCR産物はマ-カ-として不適であることがわかった。低分子産物の生成を防ぐためには鋳型DNAのサイズ・セレクションを行った。 4.VNTRマ-カ-を単離する効率をこれ以上高めることはできなかった。この原因としては、用したプライマ-によって増幅されるVNTRの種類に限界があると考えられる。今後はVNTRのコンセンサス配列を見直し、プライマ-の設計からこの方法を改良していきたい。
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