1991 Fiscal Year Annual Research Report
本態性高血圧症の成因に関する内分泌学的・分子生物学的研究ーANP、BNP、endothelinを中心にしてー
Project/Area Number |
02807217
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
鵜澤 龍一 昭和大学, 医学部, 講師 (80160232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五味 邦英 昭和大学, 医学部, 教授 (60053980)
高木 康 昭和大学, 医学部, 助教授 (30138490)
福地 邦彦 昭和大学, 医学部, 講師 (70181287)
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Keywords | 高血圧 / ANP / 副腎皮質細胞 / protein kinase C / Cーmyc / Cーfos |
Research Abstract |
平成3年度は、平成2年度から引続き各種疾患患者血漿を用いて化学発光測定法によるendothelin濃度の測定を行っている。 また、ウシ副腎皮質細胞の培養系を確立し、ヒト心房ナトリウム利尿ホルモン(ANP)、脳ナトリウム利尿ホルモン(BNP)の局所循環におけるその作用機序を解明するために、angiotensin II、ANP、BNP、protein Kinase C阻害剤などで培養細胞を処理して、アルドステロン分泌濃度、DNA合成量、RNA合成量などを測定した結果、protein kinase Cがウシ副腎皮質培養細胞において、ANP、BNPの作用調節に関与することが示唆された。なおこの結果は、第38回日本臨床病理学会総会(補冊Vol.39,P45)にて報告した。また、ウシ副腎皮質組織を用いてprotein kinase Cの染色を行ったが、ANP、BNPで処理した組織においては明らかに染色性が低下しており、ANP、BNPがprotein kinase Cの活性を低下されることが示唆された。現在は、その結果をさらに確実にするために、flow cytometry法を用いて副腎皮質細胞中のprotein kinase C活性を蛍光強度から数量化する方法を検討中である。 また、同様にウシ副腎皮質細胞の培養系を用いて、angiotensin II、ANP、BNPの局所における腫瘍遺伝子発現への関与を検討するために、angiotensin II、ANP、BNP、protein kinase C阻害剤などで培養細胞を処理し、遺伝子発現をflow cytometry法にて測定した。その結果、Cーfos遺伝子はangiotensin II、ANP処理によって発現が増加する事が示された。Cーmyc遺伝子はangiotensin IIによって顕著な増加を示した。腫瘍遺伝子に関連した検討は現在開始して間もないため、まだ満足すべき結果は得られておらず、今後さらに検討を重ねる予定である。
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