1992 Fiscal Year Annual Research Report
核家族に対する子育てのためのサポートシステム形成要件の検討
Project/Area Number |
02807220
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Research Institution | The Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
平澤 美恵子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (40211510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 恵 東京医科歯科大学, 保健衛生学科看護学専攻臨床看護, 助教授
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Keywords | 核家族の子産み子育て / 親意識形成 / 親役割取得 / ソーシャルサポートネットワーク / サポートシステム |
Research Abstract |
横断的調査で、妊娠後期から産後1年半迄の夫婦1100名より回答が得られた。平均年齢は、妻29.7歳、夫32.6歳で、核家族世帯が83%を占めていた。夫の職業は会社員が70%を占め、妻は82%が主婦であった。住宅は67%が集合住宅に住み、居住年数1年未満者が妊娠後期に28%みられた。地域活動には夫婦共に70%が参加していない。妊娠の受診施設は97%が病院である。分娩準備教育は妻は67%が受け、夫は12%しか受けていない。妊娠中・産後共に「困ったことがある」と50%の夫婦が答えている。夫の帰宅時間は、多いのが19〜20時で、次いで20〜21時である。この帰宅時間を夫の51%、妻の33%は「普通」と感じている。休日は家事、育児を夫婦で行っている。親役割取得では、全体的に妻が夫に比して高い得点を得ている。妻は妊娠後期に最高を示し、時間の経過と共に低下し産後1年半が最低であった。夫は妊娠後期が最高で、産後1ヶ月に最低になり、その後又上昇するジグザグ型を示した。ソーシャルサポートでは、主たるサポート者は各期共に夫、実母、姑あった。妻は夫から妊娠前と妊娠中の情緒的支援と出産後の手段的支援は得ているが、妊娠前と妊娠中の手段的支援と出産後の情緒的支援は十分に得られていない。夫から得られない面は実母と姑に求め、出産育児についての学習は友人に求める傾向がみられた。既存のサポートでは、保健所では地域の特性を活かして地区の母親の問題を吸収しようと努力している。助産所は母子の生活に密着して一貫した継続的なケアを行っている。事業所では働く女性の家庭と仕事の両立に向けて環境整備に努めている。民間の自主的グループでは専門家と住民が同じレベルで学習し合う仲間作りを行っている。これら既存のサポートは、地域の中で限局され組織化されていない現状であった。地域の市町村や保健センター等が基地となり、各々の活動を掌握して地域内の既存のサポートを組織化していく取り組みが必要である。
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