1992 Fiscal Year Annual Research Report
戦後日本の学校保健の確立とGHQ(占領軍総司令部)の役割と評価
Project/Area Number |
02808023
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Research Institution | RITSUMEIKAN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
三浦 正行 立命館大学, 法学部, 教授 (10102162)
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Keywords | 学校衛生 / 学校保健 / 公衆衛生機構 / 保健所 / 保健教育委員会 |
Research Abstract |
今年度の研究は、保健・医療政策と学校保健との関連を考察するために、保健所の学校保健の側からの位置づけ、その役割について明らかにすることが予定されたし、学校保健の制度的確立の分析と解明のまとめを行なうことが予定された。 保健所に関しては、「保健所法」が改正されることに、端的にその機能・役割の変化をみることができる。戦後改革の中で、公衆衛生機構が近代化、民主化されようとする中での保健所の機能・役割の変化がどのように行なわれたのかについては、「保健所法」が改正される過程でのGHQと日本側(主に厚生省)との議論状況を窺わせる文書の整理ができた。しかし、直接的に、学校保健にとって保健所とはどのような役割を果たし、どれだけの価値があるものなのか、についての検証を可能にする文書を検索することはできなかった。 また、学校保健の制度的確立の分析と解明についても、CIE、PHW両局に所属する文書の検索が十分進んだ訳ではなく、核心に触れるような結論を導くことはできなかった。 しかし、インタヴューを行なった三人の当時の関係者の話しの中から具体的な会議・作業場面でのGHQと日本側代表の立場、姿勢などを窺わせる証言を得ることができたし、それを整理しているところである。 なお、戦後改革期の学校保健確立の基本的理念に関して、戦前、戦中に学校衛生に主導的立場にあった多くの関係者の論稿についても、『学校衛生』誌の中から整理することができた。 さらに、CIE、PHW文書をマイクロフィッシュから検索する際の整理シートの基礎部分を作成することができた。
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