1990 Fiscal Year Annual Research Report
ハプテン、殊に低分子ペプチドの新しい超高感度測定法の開発と応用
Project/Area Number |
02808029
|
Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
橋田 誠一 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (10156268)
|
Keywords | ペプチド / ハプテン / 酵素免疫測定法 / エンザイムイムノアッセイ / ビオチン / ペルオキシダ-ゼ / βーDーガラクトシダ-ゼ |
Research Abstract |
近年新しいpeptideが次々と発見されてきたが、生体内濃度は低く、高感度な測定法の開発が求められている。従来から、peptideなどのhaptenはcompetitive immunoassayにより測定され、感度はfemtomleレベルである。そこで、peptideなどのhaptenをattomoleレベルで測定するためのnoncompetitive enzyme immunoassayの開発を試みた。 〈方法〉2種類のnoncompetitive enzyme immunoassayについて検討した。(1)peptideをビオチン化して、ビオチン化peptideを抗peptide IgG不溶化固相上にトラップする。固相を洗浄し、他のビオチン化物質を除いた後、ビオチン化peptideを固相より酸性条件下で溶出する。溶出したビオチン化peptideを西洋ワサビ・ペルオキシダ-ゼ標識抗peptide Fab'とアビジン不溶化固相を用いて測定する。(2)ビオチン化peptideを抗peptide IgG不溶化固相から溶出するまでは(1)と同じであるが、溶出したビオチン化peptideをβーDーガラクトシダ-ゼ標識アビジンと抗peptide IgG不溶化固相を用いて測定する。 〈結果〉(1)方法(1)により10amolのアンギオテンシンI、10amolのバゾプレッシン、5amolのαー心房性ナトリウム利尿ペプチドが測定できるようになった。しかし、これ以上の高感度化は不可能であった。(2)方法(2)は、そのままでは高感度とならなかったが、βーDーガラクトシダ-ゼ標識アビジン、ビオチン化peptide、抗peptide IgGーDNP、抗DNP抗体不溶化固相の組合わせを用いて免疫複合体転移法を応用し、種々の条件を検討した結果、10amolのアンギオテンシンIが測定できるようになった。(3)さらに高感度化するためには、こうした結合物の転移を少なくとも2回以上繰り返す必要がある。免疫複合体の転移を2回以上繰り返して行うために種々のハプテンー抗ハプテン抗体の組合わせを検討し、現在フルオレセインー抗フルオレセイン抗体の組合わせを用いて実験を進めている。
|
-
[Publications] Koichiro Tanaka,et al.: "Novel and sensitive noncompetitive enzyme immunoassay for arginine vasopressin." Clinical Chemistry and Enzymology Communications. 3. 201-208 (1990)
-
[Publications] Koichiro Tanaka,et al.: "Novel and sensitive noncompetitive (twoーsite) enzyme immunoassay for haptens with amino groups." Journal of Clinical Laboratory Analysis. 4. 208-212 (1990)
-
[Publications] Eiji Ishikawa,et al.: "Novel and sensitive noncompetitive (twoーsite) immunoassay for haptens with emphasis on peptides." Clinical Biochemistry. 23. 445-453 (1990)
-
[Publications] Eiji Ishikawa,et al.: "Ultrasensitive enzyme immunoassay." Clinica Chimica Acta. 194. 51-72 (1990)