1990 Fiscal Year Annual Research Report
好中球の情報伝達におけるホスホリパ-ゼDの役割とその活性化機構
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02808033
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
金保 安則 岐阜大学, 医学部, 助手 (00214437)
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Keywords | 好中球 / 情報伝達 / ホスホリパ-ゼD / NーformylーMetーLeuーPhe / 酵素放出反応 / プロテインキナ-ゼC / スタウロスポリン |
Research Abstract |
今年度の研究実施計画に従い実験を行なった結果、以下の結果を得た。1)ウサギ好中球をロイコトリエンB_4やplateletーactivating factorで刺激すると、NーformylーMetーLeuーPhe(fMLP)の場合と同様、ホスホリパ-ゼD(PLD)が活性化された。これらアゴニストによるPLDの活性化は、サイトカラシンBの存在下でアゴニストの濃度依存的に促進され、好中球機能の一つである酵素放出反応とよく相関した。エタノ-ルはアゴニストによるPLD活性化に伴うホスファチジン酸産生と酵素放出反応を抑制したが、後者における抑制程度は前者にくらべて小さい。以上の結果は、好中球の酵素放出反応にPLDの活性化が少なくとも部分的に関与することを示唆する。2)種々の細胞について報告されているように、ウサギ好中球においても、プロテインキナ-ゼC(PKC)の活性化剤であるホルボ-ルエステル(PMA)によりPLDが活性化された。ところが、PKC阻害剤のスタウロスポリンやHー7処理で、PMAによるPLDの活性化が著明に増大するという興味深い知見が得られた。このPKC阻害剤の効果は、fMLPによるPLD活性化においても同様に認められた。また、PMA前処理によりPKCを活性化させておくと、fMLPによるPLD活性化は抑制され、スタウロスポリンはPMAの抑制効果を解除した。以上の結果から、ウサギ好中球においては、fMLPやPMAはPKC非依存的にPLDを活性化し、活性化されたPLDはPKCによって不活性化されるものと結論される。さらに、ウサギ好中球のPLDの活性化は百日咳毒素感受性GTP結合蛋白質を介することが判明した。3)ラットおよびウサギ大脳皮質の膜結合性PLDは、低濃度(0.2%)のTriton Xー100により著明に活性化され、高濃度(0.5ー1%)のTriーton Xー100で可溶化された。Mg^<2+>やCa^<2+>は、Triton Xー100で活性化されたPLDを阻害した。このように、PLDの測定条件および可溶化条件も確立され、今後の精製への大きな手がかりが得られた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Kanaho et al.: "Activation of phospholipase D in rabbit neutrophils by fMetーLeuーPhe is mediated by a pertussis toxinーsensitive GTPーbinding protein that may be distinct from a phospholipase Cーregulating protein" FEBS Lett.
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[Publications] Y.Kanaho et al.: "Phospholipase D activation by plateletーactivating factor and leukotriene B_4 as well as fMLP in rabbit neutrophils:phospholipase D activation is involved in enzyme release" J.Immunol.
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[Publications] 金保 安則,ほか: "組織培養:特集 シグナルトランスダクション" ニュ-・サイエンス社, 34 (1991)
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[Publications] 金保 安則,ほか: "蛋白質核酸酵素 臨時増刊:動物細胞におけるリン脂質代謝と病態" 共立出版株式会社, 460 (1991)