1991 Fiscal Year Annual Research Report
磁場閉じ込め核融合炉の液体金属沸騰冷却に関する基礎的研究
Project/Area Number |
02808039
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 実 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (90171529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有富 正憲 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教授 (60101002)
井上 晃 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (20016851)
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Keywords | 核融合炉 / 液体金属 / 沸騰 / MHD / 磁場 / 気泡 / 伝熱 / 超伝導 |
Research Abstract |
核世合炉ブランケットの液体金属沸騰冷却の基礎研究として、最高7Teslaの鉛直磁場における水平板ヒ-タ面上の水銀のプ-ル飽和核沸騰熱伝達の実験を行った。 実験装置は、沸騰容器、コ-ルドトラップ、ガスリザ-バ、ソレノイド形超伝導磁石、真空排気装置、窒素加圧系、水冷却系から構成されている。沸騰容器はSUS316製の鉛直円筒形であり、寸法は内径30.7mm、高さ1078mmである。容器底面にメタル中空0リングでシ-ルした水平円板ヒ-タを取り付けた。ヒ-タ表面粗さは約400μアルミナ粉吹付けにより一様にした。表面から2.5mmの深さにφ1mm白金測温抵抗体を水平に挿入し、表面温度を測定した。沸騰容器を断熱円筒容器内に入れ、超伝導磁石のφ75mm中空ボアに挿入し、その隙間を空気冷却した。飽和沸騰を起させるため沸騰容器側壁をマイクロヒ-タで加熱した。核沸騰を起させるため、伝熱面における水銀の濡れ性がよくなるように純度99.999%の蒸留水銀にチタン10ppmとマグネシウム200ppmを添加した。実験条件は、水銀液位50mm、窒素カバ-ガス圧0.1MPa、ヒ-タ表面熱流束0〜300kw/m^2、磁束密度0〜7Teslaとした。 実験結果は、0〜5Teslaまでの磁場の増加に対して核沸騰曲線が下側にシフトし、磁場による約50%の顕著な熱流束低下が起った。しかし、5〜7Teslaの磁場増加に対しては沸騰曲線の変化が胎ど認められなかった。更に高熱流束側よりも低熱流束側の磁場による伝熱低下がより大きかった。沸騰気泡の成長が磁場に平行方向に伸びるとするWongらの楕円型気泡成長理論とForsterーZuberの沸騰熱誕達評価法を用いて沸騰熱伝達の計算を行ったことろ、磁場による伝熱低下を実験結果より少なく見積ることがわかった。 以上の結果から、核融合炉条件に近い強磁場下における沸騰伝熱の低下割合が実験的に確認された。
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