1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02808042
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三宅 千枝 大阪大学, 工学部, 教授 (70028976)
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Keywords | 光還元 / 電解還元 / 5価ウラン(U^<5+>) / Purexプロセス / 電子スピン共鳴吸収 / ^<31>P超微細構造 / TBP抽出系 / ウラニル |
Research Abstract |
使用済み燃料再処理のPurexプロセスにおいて光還元および電解還元の手法は系内に新たな元素種を持ち込まないという点から、最も基本的で重要な手法である。ここではウラニルー硝酸ーTBP系について、まずウランが有機相に抽出される場合の化学形であるUO_2(NO_3)_2・2TBPを合成し、本錯体の有機相中における光還元および電解還元過程の電子スペクトルおよび電子スピン共鳴吸収(ESR)を測定した。電解還元については予め印加電圧を-1.7Vと決定した。還元過程における中間生成物U^<5+>イオンはいずれの還元過程においても770、970および1420nmに吸収極大をもつことが電子スペクトルの時間変化等から確認された。これに反し、ESRスペクトルは両還元過程において全く異なる挙動を示した。光還元過程のU^<5+>はg値が1.94で、配位子の ^<31>Pによる超微細構造がみられた。またg値2.00ラジカルによるものと思われるシグナルも同時に観測された。電解還元過程のU^<5+>のシグナルはg値が約2.3で線幅は0.1Tと非常にブロ-ドである。 このように両還元過程のESRシグナルが異なる様相を示すのは、両還元過程の機構が異なるために生じるものと思われる。つまり中間生成物としてのU^<5+>のまわりの構造が原子的スケ-ルでみた場合に異なっているものと思われる。光還元では配位子を通じて電子の授受が行われるが、電解還元では電極との電子の授受であり、この場合にはNO_3^-のようなカウンタ-イオンはむしろ存在しない方が望ましく、従ってU^<5+>の配位場が全く異なることになる。これらの解析は次年度に行う予定である。
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[Publications] C.Miyake,T.Nakase,Z.Yoshida and H,OhyaーNishiguchi: "Anionーdependent ESR of Uranium(V) Intermediates in Photoーand Electrolytic Reduction of Uranyl Complexes in Organic Solutions" Inorganica Chimica Acta.