1991 Fiscal Year Annual Research Report
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02808049
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
堀内 嵩 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (60108644)
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Keywords | 大腸菌 / 染色体複製 / 複製終結点 / 終結タンパク質 / SV40 / Large Tーantigen / ヘリカ-ゼ |
Research Abstract |
全てのゲノムは複製時に倍化され、その後娘細胞に分配され、それを繰り返えすことで細胞は増殖しつづける。本研究においては、ゲノム中に複製不可能な(またはたとえ複製されても著しく遅れる)頒域を人工的に作り出し、そのゲノムがどうなるか?また細胞にどのような影響を与えるか?調べようとした。我々は、大腸菌の系において、そのゲノム上にある、決まった約22bpの塩基配列(複製終結点;ter配列)とそこに結合するタンパク質(終結点結合タンパク質,終結タンパク質)が存在えすれば、終結点で複製フォ-クの進行が阻止、あるいは阻害されることを明らかにしてきた。このシステムが原核生物ばかりでなくヘテロな系である真核生物でも有効か否かをも調べようとした。というのは、将来未複製頒域を持つゲノムを大腸菌ばかりでなく、真核生物でも作製し、その運命を調べたいためである。 前年度は、未複製頒域を有する大腸菌を作製し、調べた結果、それが菌の増殖を遅らせることを見出した。今年度はもう一つの目的である、大腸菌終結システムのヘテロな系での有効性を検討した。まず酵母ゲノム上に大腸菌終結点を導入し、終結点結合タンパク質を同時に発現した所、その部位での複製フォ-クの阻害が起こることを、2次元寒天電気泳動法を用いて明らかにした。一方SV40DNAのin vitro複製系を用いて、大腸菌終結システムの有効性を調べた。その結果、加えるSV40ゲノム中に終結点があり、同時に終結タンパク質を添加すれば、部位特異的・極性を持ったフォ-ク阻害が起こること、さらに終結点一終結タンパク質複合体がSV40のLarge Tーantigenのヘリカ-ゼ活性を極性を持って阻害することを見出した。つまりこの結果は、大腸菌の終結システムが、真核生物においても有効である可能性が高いことを示している。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 日高 真純: "A new identified DNA replication terminus site,TerE,on the Eschericlina col:chromosome" Journal of Bacteriology. 173. 391-393 (1991)
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[Publications] 日高 真純: "Termination complex in Eschericlia col:inhibits SV40 DNA replication in vitro by impecling the action of Tーantigenhelicase" Journal of Biological Chemistry. (1992)
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[Publications] 小林 武彦: "Indentification of a site requied for DNA replication fork flocking activity in the rRNA gene cluster in S.cerevisiae" Molecular and General Genetics. (1992)
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[Publications] 堀内 嵩: "複製はどのように終結するか" 生化学. 63. 1185-1195 (1991)
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[Publications] 堀内 嵩: "大腸菌の複製終結頒域では何が起っているか" Cell.Scince. 7. 907-914 (1991)
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[Publications] 堀内 嵩: "DNA複製フォ-クの進行を阻止する終結点" バイオサイエンスとインダストリ-. (1992)
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[Publications] 石浜 明: "Control of cell growth and division" Japan Scientific Societies & SpringーVerlag, 266 (1992)