1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02808059
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
廣瀬 正美 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (90039420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 伸示 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (70165893)
木原 寛 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (90153171)
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Keywords | グラフ理論 / カリキュラム / 構造解析 / コンピュ-タ- |
Research Abstract |
本年度に行った研究内容は以下の通りである。 1.日本及び欧米諸国の優れた科学カリキュラムを調査し,その解析にグラフ理論を応用して行った。 (1)日本については,平成元年度の指導要領改計にともない低学年理科が廃止され,平成4年度から完全実施される生活科のカリキュラム研究が急務となっている。そこで,生活科の先導的実践における優れたカリキュラムを解析した。その結果,現在試行されている生活科からは1学年で7類型,2学年で9類型のものが見いだされた。また,カリキュラムのシ-クエンスを考えると生活科は3つの学習の流れが確認された。 (2)欧米諸国のカリキュラムではIPSとAAASの構造解析を行った。IPSは1960年代の科学カリキュラム現代化以降現在までに4回の改計を行い,いまなお根強い人気を得ている。構造解析の結果,IPSがその編集方針として変わらない基本構造を持っていること,20余年の歳月の中で時代の要請に答えて変化してきた構造上の変革点などが明らかになった。また,新指導要領が強調している問題解決能力とその育成の観点からAAASの解析を行った。その結果,このカリキュラムの中ではそれらの能力が巧みに配列され,意図的にこれらの能力を育成していこうとしている構造が浮き彫りとなった。 2.グラフ理論を応用してカリキュラム解析を行うために,C言語で記述されたパソコン用カリキュラム構造解析用プログラムを昨年度作成したが,さらに,今年度はこれにCS法を導入して辺の交差が少ない要素配列によるグラフ表示を可能としたプログラムに改良した。また,子どもの科学概念をグラフ表示するためガルスコフの言語連想分析法を用いたプログラムを開発した。
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[Publications] Shinji Matsumoto: "A Study on Curriculum Structure in Science Education Using Graph TheoryーParticularly about Maximum Matching in Graphー" 日本教科教育学会誌. 第15巻2号. 1-9 (1992)
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[Publications] 祖母江 朗,松本 伸示: "ニュ-ジ-ランドの小学校理科教育の解明ーグラフ理論によるカリキュラム構造分析を通してー" 日本教科教育学会誌. 第15巻3号.
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[Publications] 松本 伸示: "構造モデルによる科学カリキュラムの解析と開発ーファジィ理論を応用したグラフの連結度からー" 日本教科教育学会誌.
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[Publications] 松本 伸示: "科学カリキュラムの構造解析についての一考察ーグラフの連結度からー" 日本科学教育学会研究会研究報告. 第5巻6号. 1-6 (1991)
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[Publications] 浅井 孝一,松本 伸示: "Introductory Physical Science新旧版の構造比較ーISM法を応用してー" 日本理科教育学会研究紀要.
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[Publications] 辻田 賢次,松本 伸示: "小学校生活科におけるカリキュラムの調査研究" 日本理科教育学会研究紀要.