2003 Fiscal Year Annual Research Report
多連続不斉中心を有する鎖状系有機分子の立体特異的合成法の開発と天然物合成への応用
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02F00132
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮下 正昭 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHANMUGAM Ponnusamy 北海道大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | エポキシド / アルキル置換反応 / トリメチルアルミニウム / 立体特異的 / 鎖状有機分子構築法 / トリアルキルシリルトリフレート / 炭素-炭素結合形成 / 天然物合成 |
Research Abstract |
研究目的 多不斉中心を有する鎖状系有機分子を高立体選択的に作り分ける精密有機合成手法の開発は現代有機化学の重要なテーマの一つである。本研究はエポキシドのアルキル置換反応を基軸とし,多不斉中心を含む生理活性天然物の合成に有効に利用できる効率的かつ立体特異的鎖状有機分子構築法の開発を目指して行われた。 研究成果 その結果,以下のような研究成果を得た。一般に,トリメチルアルミニウムなどの有機アルミニウムは単純なエポキシドとは反応しないことが知られている。これに対し,「トリアルキルアルミニウム」と「トリアルキルシリルトリフレート」を組み合わせると,立体特異的アルキル化反応が速やかに進行し,アルキル置換されたアルコールのシリルエーテル体が単一物として高収率で得られることを発見した。本法は,トランスエポキシドからはアンチ体が,またシスエポキシドからはシン体がそれぞれ立体特異的かつ高収率で得られるのみならず,一段階でエポキシドのアルキル化反応とシリル化反応を達成できることから,高効率的炭素-炭素結合形成法として今後,天然物合成を含む有機合成に広く利用されるものと期待される。なお,これらの成果はアメリカ化学会のOrg.Lett.誌に受理,掲載された。
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