2003 Fiscal Year Annual Research Report
超音波を利用したin vitroおよびin vivoでの遺伝子導入の増強
Project/Area Number |
02F00550
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HOSSEINKHANI Hossein 京都大学, 再生医科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 遺伝子導入 / 非ウィルス性遺伝子キャリア / 超音波照射 / ターゲティング / カチオン性水溶性高分子 / 金属配位結合 |
Research Abstract |
(1)非ウイルスベクターの創製 遺伝子は負電荷をもりアニオン性の高分子であり、細胞表面の負電荷との斥力により、そのままでは細胞内へ導入することは困難である。本研究では、カチオン性高分子を用いて、遺伝子とポリイオンコンプレックスを形成させることによって、細胞への遺伝子導入を試みた。まず、細胞との親和性の高い水溶性高分子である、ゼラチンあるいは細胞接着に関係するペプチド配列をもつプロネクチンFに対して、カチオン性のエチレンジアミンあるいはスペルミンを化学導入した。得られたカチオン化水溶性高分子と遺伝子との複合体について、分子サイズや表面電荷などの物理化学的性質を調べたところ、分子サイズが約200nmの正に帯電したポリイオンコンプレックスが形成されていることがわかった。 (2)細胞の接着環境および培養方法が遺伝子導入に与える影響 細胞の接着環境を変化させるために、異なる3種類の三次元足場材料を作製した。すなわち、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維からなる不織布、コラーゲンスポンジ、およびポリグリコール酸(PGA)繊維を用いてコラーゲンスポンジの力学的特性を改善したPGA-コラーゲン複合スポンジである。これらの三次元足場材料へ、(1)で作製したカチオン化水溶性高分子と遺伝子とのポリイオンコンプレックスを含浸させることによって、遺伝子を担持した三次元足場材料を得た。現在、骨髄から単離した間葉系幹細胞(MSC)をこの足場材料内で培養することによって、MSCへの遺伝子導入が可能かどうかについて検討しているところである。また、遺伝子を担持した異なる三次元足場材料へ播種したMSCを用いて、通常の静置培養に加えて、旋回培養あるいは還流培養することにより、細胞に対する酸素・栄養・老廃物の交換、あるいは流体力学的刺激などが遺伝子導入に与える影響について検討している。
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[Publications] Hosseinkhani, H., Tabata, Y.: "In vitro gene expression by cationized derivatives of an artificial protein with repeated RGD sequences, Pronectin【○!R】."J.Control.Release.. 86(1). 169-182 (2003)
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[Publications] Hosseinkhani, H., Aoyama, A., Ogawa, O., Tabata, Y.: "Tumor targeting of gene expression by dextran conjugation based on metal coordination."J.Control.Release.. 86(2). 297-312 (2003)
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[Publications] Hosseinkhani, H., Azzama, T., Tabata, Y., Domb, AJ.: "Dextarn-spermine polycation an efficient nonviral vector for in vitro and in vivo gene transfection."Gene Therapy. 11(2). 194-203 (2004)