2004 Fiscal Year Annual Research Report
サイクリックGMP関連遺伝子導入による肺高血圧治療
Project/Area Number |
02F02539
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
丸山 一男 三重大学, 医学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JIANG Bao Hua 三重大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 肺高血圧 / ANP / 低酸素 |
Research Abstract |
センダイウイルスのエンベロップベクターにANP遺伝子を組み込み、ラットに経気道的に投与し、低酸素暴露を行った。センダイウイルスはインフルエンザウィルスの一種で呼吸器系の細胞に入りやすいため、経気道投与により、肺に導入し易いことが明らかとなった。低酸素暴露による肺高血圧血管病変のうち、小筋性動脈の中膜肥厚の発生が抑制された。一方、肺胞や肺胞管レベル抹消肺動脈での筋性血管の出現率は抑制されなかった。覚醒下で測定した肺動脈圧は、ANP遺伝子導入ラットではANP遺伝子非導入ラジトに比べ低値を示したが、正常ラットより高値であった。ANP遺伝子導入により、少なくとも直径100μm前後の肺高血圧血管病変の出現が抑制されることが明らかとなった。この結果は、肺高血圧血管病変の内、ANP遺伝子導入は、すでに血管平滑筋層を持つ筋性動脈の中膜平滑筋層の血管平滑筋に肥大/過形成の抑制効果があることを示している。一方、末梢肺動脈血管の傍細胞の血管平滑筋への分化の抑制効果はないようである。また、中膜肥厚の程度は肺動脈圧を規定する一因子であることも明らかとなった。また、マウスの肺動脈圧測定法開発を試みた。マウスの肺動脈圧は、開胸下、人工呼吸下で行うため、人工呼吸器と専用の実体顕微鏡を設置した。従来、肉眼で用手での穿刺は成功率が低いため、専用のシステムを組み立てた。マウスの肺動脈圧は、開胸下、人工呼吸下で行うため、人工呼吸器が必要となり、専用の実体顕微鏡が必要となった。本年度に行ったマウスの肺動脈圧測定システムの構築は、ノックアウトマウスやトランスジェニックマウスを用いた肺高血圧研究手法を提供するものとなる。すなわち、生体での肺動脈圧という指標が、小動物であるマウスで測定できることは、今後の研究の基盤となる。また肺高血圧マウスの肺組織標本の作成法と肺高血圧血管病変の評価法を開発した。マウスではラットに比べ正常での血管外径に対する中膜占める割合が低いようである。
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Research Products
(4 results)