2003 Fiscal Year Annual Research Report
歯牙形成における分化関連因子Pax6、Lef1遺伝子の発現解析と歯牙再生誘導の試み
Project/Area Number |
02J00978
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長田 奈津紀 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 上皮間葉相互作用 / 頭部神経堤細胞 / レトロウイルスベクター / scaffold / 顔面形態形成異常 |
Research Abstract |
頭部神経堤細胞初代培養系の培養条件等を検討し最適化することに成功した。歯牙形成における最も重要な上皮間葉相互作用をin vitroでmimicすることで、形態形成に不可欠な遺伝子発現を解析することを目的としてこの系を用い、頭部神経堤細胞分化関連因子である、Pax,RUNX1,2,3,Id2遺伝子およびそれらの変異型(ドミナントネガティブ変異体、活性型変異体を含む)数種をレトロウイルスベクターにて強制発現させ、歯牙形成や顎顔面部の形成過程を確認したところ、RUNSをはじめとするいくつかの遺伝子によって著しく形成促進もしくは遅滞を認めた。また、これらのノックアウトマウス解析も並行して行ったところ、顔面形域の変異を認めるものが一部確認された。最終目標である、歯牙再生誘導を可能ならしめるためには、歯牙形成における分化制御機構における、これらの遺伝子の寄与を長期にわたって分析することが重要と考えられる。よって、各種細胞群の相互作用と歯牙形成を同時に長期解析できるin vivo実験系をひきつづき検討中である。具体的には、同じ頭部神経堤細胞塊から、上皮系細胞群と間葉系細胞群を分離し、各々を適当なscaffold内で培養したのち、同系マウス腎皮膜下へ移植して、細胞塊間の相互作用評価と、その結果としての歯牙硬組織形成を計る。また、その上で数種の遺伝子の強制発現、もしくは、dominant negative変異体による機能阻害による効果も検討している。Scaffoldに関しては胸骨再生などの分野ですでに臨床応用に成功している、生体材料学の京大再生研・田畑教授らのグループと共同で、条件検討を同時並行している。
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[Publications] Sakurai T, Satake A, Nagata N, Gu Y, Hiura A, Doo-Hoon K, Hori H, Tabata Y, Sumi S, Inoue K.: "The development of new immunoisolatory devices possessing the ability to induce neovascularization."Cell Transplantation. 12(5). 527-535 (2003)
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[Publications] Sakurai, T, Satake, A, Sumi, S, Inoue, K, Nagata, N, Tabata, Y, Miyakoshi, J.: "The Efficient Prevascularization Induced by Fibroblast Growth Factor 2 With a Collagen-Coated Device Improves the Cell Survival of a Bioartificial Pancreas."Pancreas. 28(3). e70-e79 (2004)