2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J01282
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
東 武大 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 素粒子論 / 量子重力 / 超弦理論 / 非摂動的定式化 / 構成的定義 / 一般相対論 / Theory of Everything(TOE.) / 非可換時空 |
Research Abstract |
超弦理論が現実世界に対する予言能力を持ちうるためには、摂動論に依存しない構成的定義が必要とされている。そのための枠組みとして有力視されているのが、理論をN^+N hermitean行列で記述する、large-N reduced modelであり、これまでに最も成功した試みがIIB行列模型である。しかしながら、IIB行列模型は、平坦な非可換空間しか古典解として、持ち得ない。従ってlarge-N reduced modelが重力を含んだ理論であるためには、一般相対論の本質的な性質である、曲がった時空をより、manifestに表せるほうが望ましい。この観点に立って以下の二つの方向性から考察を進めた。 一つは、理論の対称性を、SO(9,1)Lorentz対称性と、u(N)gauge対称性を入り組んだ形にして拡大することで、局所Lorentz対称性をlarge-N reduced modelによって実現する試みである。large-N reduced modelでは行列の固有値が時空の座標として解釈されることから、Lorentz対称性が局所的なものであるためには、変換のパラメーターが非自明な形でu(N)行列で書かれるべきである。このような模型について追求した結果、低エネルギーの極限において、Einstem作用を再現することがわかった。 もう一つは、初めからfuzzy sphereなどの曲がった空間を古典解に持つように理論を定義することである。そのために、特にOSP(1|32,R)リー環で記述される.Suger mal rix modelに質量項をつけ加えた模型に関して考察を行なった。その結果として、SO(3)×SO(3)×SO(3)[S^2×S^2×S^2のfuzzy sphereのCartesian product.]及びSO(9)(S^8)のfuzzy sphereを古典解に持つことが判明した。また、これらの古典解の安定性についても議論を行った。
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[Publications] Takehiro Azuma, Hikaru Kawai: "Matrix model with manifest general coordinate invariance"Physics Letter B. 538. 393-405 (2002)
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[Publications] Takehiro Azuma, Maxime Bagnoud: "Curved-space classical solutions of a massive supermatrix model"Nuclear Physics B. 651. 71-86 (2003)