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2002 Fiscal Year Annual Research Report

神経細胞の多様性形成の機構の解明

Research Project

Project/Area Number 02J02095
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

畠山 淳  京都大学, ウイルス研究所, 特別研究員(DC1) (90404350)

KeywordsbHLH / tight junction / adherence junction / radial glial cell
Research Abstract

神経系の発生過程では、多様なニューロンやグリア細胞はある一定の順序で分化することが知られており、いつ分化するかというタイミングが、様々なタイプの細胞を生み出す多様性形成過程に関与すると考えられる。当研究室では今までにbHLH型転写因子Hes1及びHes5が分化のタイミングを制御することを報告してきた。Hes1やHes5を欠損すると分化が早くなり、逆にHes1,Hes5の強制発現では分化が遅れる。本研究では、Hes1やHes5の発現を操作して分化のタイミングをin vivoでコントロールし、神経系の形成や細胞の多様性形成における分化のタイミングの意義を明らかにすることを目的とする。
そこで、短期間に一斉に神経分化が起こるHes1Hes5 double knockout mouse(dKO)を解析した。
E10.5では野生型の脊髄に比べて、dKOでは神経の分化が促進しており、顕著に未分化な細胞が減少し、さらに形態異常が生じていた。この異常は、電子顕微鏡の観察や免疫染色により、細胞間の接着帯の欠失が原因であることが明らかとなった。この接着帯が失われる所は、神経分化が進み未分化な細胞が全く存在しない場所と一致していた。
このことから未分化な細胞は、神経管の内側で接着帯を形成して内腔とのしきりを保ち、形態を維持していることが示唆された。
さらにこの領域ではニューロンばかりが生じており、グリア細胞やependymal cellは生じていなかった。
以上の結果より未分化細胞をある時期まで維持して一定期間かけて神経分化を起こす意義には、形態を維持する役割があることが明らかになった。
また、一斉に分化が起こるとその時期に分化が起こるニューロンしか作りだせないことから、多様な細胞種を形成するには一定期間かけて神経分化を起こすことが重要であることが示唆された。

URL: 

Published: 2004-03-26   Modified: 2018-10-04  

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