2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J03786
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
田邉 純代 福井県立大学, 生物資源学研究科・植物分子生物学研究室, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イネ / 短粒形質 / 矮性変異体 / マップベースクローニング / 植物ホルモン / ブラシノステロイド |
Research Abstract |
候補変異原因遺伝子を特定するため、完全鎖長cDNAデータベースを探索し、98kb内に存在するすべてのcDNAの情報を基にプライマーを作成し、cDNAレベルでの変異部位の探索を行った。その結果、チトクロームP450遺伝子をコードする単一のcDNAに用いたすべてのd11アレルで変異部位が見られた。d11が示す矮性、短粒の表現型を回復するかどうか調べるために、このcDNAを含むゲノムDNAをd11変異一体に形質転換を行っている。このP450遺伝子のアミノ酸配列を基にしたBLASTサーチでは既知のブラシノステロイド生合成遺伝子に高い相同性を示しました。同様にジベレリン、オーキシン、ブラシノステロイドの生合成遺伝子のいくつかを用いた系統樹でもブラシノステロイドに関与することが明らかとなった。さらにブラシノステロイドの生理実験ラミナジョイントでは野生型と比較して過敏感反応を示したことは、d11変異体が生合成経路に関与すると思われました。発現解析では、節間と開花前の組織で高発現が認められた。このことはd11変異体が示す異常な表現型(矮性、短粒)と一致した。イネにおいて、ブラシノステロイド生合成変異体は野生型に比べて生合成遺伝子の発現量が増加していたこととブラシノライド添加によって生合成遺伝子の発現が抑制されることが報告されていたため、d11変異体でも同様の結果が得られるかどうかのフェードバック阻害の実験を行った。その結果、d11変異体は既知のブラスのステロイド生合成変異体d2と同様の結果を示し、ブラシノステロイド生合成遺伝子であることが予測された。さらにD11遺伝子がブラシノステロイド生合成経路のどのステップを触媒するかどうかを調べるために、ブラシノステロイド中間体の内在性量の定量とフィード試験を行いました。この二つの実験結果によって、D11遺伝子が3-デハイドロ6-デオキソティアステロンから6-デオキソティファステロールへのステップと3-デハイドロティアステロンからティファステロールへのステップを触媒していることが明らかとなった。
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