2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J06402
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
梅林 志浩 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 遺伝子導入 / パルス波レーザー光 / マイクロビーズ / Drug Delivery System(DDS) / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
遺伝子治療を行う上で最も重要な基本技術は遺伝子の導入法である。治療用遺伝子を細胞内へ安全かつ効率的に導入するためには、既存の導入技術の改良と同時に従来技術の欠点を補う新規の遺伝子導入技術の開発が必要になる。これまでの研究で、マイクロビーズ(Polystyrene Latex)と細胞の混合液にパルス波レーザー光を照射すると、細胞膜透過性が上昇し、細胞内への物質導入が可能になることを明らかにしている。 本研究ではマイクロビーズとパルス波レーザー光を利用した新規遺伝子導入法を確立するため、(1)マイクロビーズ、レーザーおよび細胞の種類の検討(2)本法による膜透過性上昇機序および遺伝子導入機構の検討を行った。 大きさの異なるマイクロビーズ(1〜3μm)を使用して、FITC標識デキストラン(M.W.70,000〜5,000,000)を細胞に導入した結果、導入分子の大きさはビーズの大きさに依存することが明らかになった。その際のviabilityの低下はみられなかった。細胞の種類に関しては、浮遊細胞であるマウス繊維肉腫細胞(Meth-A)と、付着細胞のヒト繊維芽細胞(Fibroblast)を比較した。Meth-Aでは死細胞が比較的多く見られたのに対し、Fibroblastでは殆ど観察されなかった。この結果から、本法による遺伝子導入は、付着性の細胞に対して有効であるといえる。レーザー光として連続波レーザーを用いた場合には上記の結果は得られないことから、パルス波レーザーに特有の現象(応力波による細胞膜の破壊)により、遺伝子が細胞内に導入されると考えられる。
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