2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J06852
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
菱谷 隆行 九州大学, 先導物質化学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | パラジウム / エチレンジアミン / 錯体 / ヒスチジンタグ / 分子認識 |
Research Abstract |
タンパク質を配列特異的に認識できれば、タグタンパク質の分離や細胞内可視化など、様々な分野で利用可能である。その中でヒスタグは最も一般的に使われているタグ配列であり、配列選択的認識ができれば、細胞内イメージングが可能となる。本研究では、このタグタンパク質を認識するパラジウム・エチレンジアミンに注目し、その色素修飾体を合成した。色素には、ピレン・クマリン・Fluorescein・Rhodamineなど、様々な波長を有する蛍光色素を用いた。その結果、WWドメインやユビキチンなどのタンパク質対してHis-tag選択的に認識することが示され、本手法が汎用性の高いラベル化法であることが示された。また、タンパク質中のトリプトファン残基から蛍光共鳴エネルギー移動を利用した蛍光センサーとしても機能することを見出した。ITC測定から得られた結合定数は10^6Mほどであるものの、合成した錯体は、タンパク質と結合した後の解離が非常に遅く、十分にタグラベル化剤として機能することが分かった。 さらに、本手法の長所として、結合した複合体が酸性下でも安定に存在することを明らかとした。これを利用し、ラベル化タンパク質をHPLC分離したり、SDS-Pageにより分析することも可能であることが分かった。これまでヒスタグと結合することが知られているニッケルでは、このような安定な複合体は得られず、本手法が安定なラベル化法として優れていることが明らかとなった。 本手法によるラベリングはヒスタグタンパク質だけでなく、金属結合部位(HAAAH)を2つ有するペプチドに対しても有用であることが分かった。さらにこのペプチドに対しては、ピレンで修飾したパラジウム錯体により、ヘリックスを誘起しながらエキシマー発光による蛍光レシオ検出が可能であることも分かった。このセンシングにおいては、HAAAH間の距離、及びレセプター側のリンカーの距離が重要であることを示し、距離依存的な蛍光レシオ検出が可能であることを明らかとした。
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