2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J07003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安達 直子 (旦 直子) 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 乳児 / 認知発達 / 映像メディア |
Research Abstract |
本研究は、乳児が映像つまり2次元の情報媒体で示された情報をどのように認知しているのか、そして映像を外界の事物とどのようにして関係付け表象しているのかを明らかにすることを目指すものである。本年度は、乳児が実際の外界の事物の予測に際しテレビに映された情報を用いることができるかどうかを明らかにすることを試みた。 被験児は6ヶ月児8名、10ヶ月児11名、計19名であり、両月齢群ともにあらかじめランダムに可能群(6ヶ月児4名、10ヶ月児6名)と不可能群(6ヶ月児4名、10ヶ月児5名)に分けられていた。被験児はまず、左右に置かれた赤と青の帽子のどちらかでクマのぬいぐるみを隠す事象(手がかり事象)をテレビ映像を通じて提示された。その後、テレビをスクリーンを下ろして隠した上で移動させ、現実場面で実物の帽子を提示した。このとき手がかりが利用しやすいよう帽子の提示位置と大きさをテレビ映像と同じにした。このとき可能群の乳児にはクマを隠した方の帽子を取り去るとクマが現れる事象(可能事象)を提示し、一方不可能群の乳児にはクマを隠していない方の帽子を取り去るとクマが現れる事象(不可能事象)を提示した(テスト事象)。各群の乳児におけるテスト事象への注視時間を分析した結果、6ヶ月児においても10ヶ月児においても、可能群の乳児よりも不可能群の乳児の方がテスト事象をより長く注視していたことが見出された。 このことから、乳児は少なくとも現実との知覚的な特徴が非常に近い場合にはテレビで提示された手がかりを現実場面に利用できることが示唆された。
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Research Products
(1 results)