2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J08479
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 慶太郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 超新星 / ニュートリノ / ニュートリノ振動 / ブレーン / インフレーション / ダークマター |
Research Abstract |
1.超新星ニュートリノにおけるニュートリノ振動の詳細な解析を行った。まずこれまであまり扱われることのなかった、質量階層性の逆パターンにおいて観測されるニュートリノのスペクトルがどのようになるかを計算し、観測からニュートリノのパラメータに関してどのような情報が得られるかを解析した。結果としてニュートリノの混合角が十分大きいときには質量の階層性まで含めてニュートリノのパラメータが決まることがわかった。また、通常このような解析では超新星の親星の質量は固定して解析されるが、これは実際的ではない。そこで親星の質量を様々に変化させて観測ニュートリノのスペクトルを調べた。その結果親星の質量はあまりスペクトルに影響せず、ニュートリノのパラメータを引き出せることがわかった。さらに超新星の内部を伝わる衝撃波のニュートリノ振動に対する影響を調べ、スペクトルの時間変化の様子を調べた。 2.ブレーンワールドにおける宇宙論的揺らぎの進化を解析した。ブレーンワールドにおいては厳密解を得ることは一般に難しいが、バルクとブレーン上に指数関数型のポテンシャルをおくことによってスカラー型、ベクトル型、テンソル型の摂動まで含めて厳密に解けるモデルを得ることができた。これによってブレーンワールドの高次元の効果を厳密に求めることができ、高次元時空のダイナミクスに対する理解が高まった。 3.ダークマターの正体は未だに謎に包まれているが、ダークマターは実は安定な物質ではなく、有限の寿命で崩壊するという説がある。ダークマターがもし宇宙年齢程度の寿命を持っているならば、銀河のクラスターの進化に関する謎が解かれる可能性があることを示した。
|
-
[Publications] 高橋慶太郎: "Effects of neutrino oscillation on supernova neutrino : Inverted mass hierarchy"Progress of Theoretical Physics. 109. 919 (2003)
-
[Publications] 高橋慶太郎: "Shock propagation and neutrino oscillation in supernova"Astroparticle Physics. 20. 189 (2003)
-
[Publications] 高橋慶太郎: "Effective theory for close limit of two branes"Physical Review D. 67. 104011 (2003)
-
[Publications] 高橋慶太郎: "Primordial fluctuations in bulk inflaton model"Physical Review D. 67. 103503 (2003)
-
[Publications] 高橋慶太郎: "Decaying Dark Matter and the Evolution of the Cluster Abundance"Astrophysical Journal. 597. 645 (2003)
-
[Publications] 高橋慶太郎: "Supernova Neutrinos, Neutrino Oscillations, and the Mass of the Progenitor"Physical Review D. 68. 113009 (2003)