2002 Fiscal Year Annual Research Report
次世代宇宙往環機における機体設計と飛行経路の統合的最適化に関する研究
Project/Area Number |
02J08617
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 信宏 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 宇宙往還機 / 統合的最適化 / 剛体ダイナミクス / ハイブリッドGA |
Research Abstract |
本研究は,1.剛体としてのダイナミクスを考慮した飛行経路の設計,2.機体設計問題におけるモデルの高精度化,3.上記2つを統合した最適化問題を高速かつロバストに解くアルゴリズムの開発の3つが主な課題である.1に関して,本年度は,逆ダイナミクス法とタイムスケール分離による制御系設計を含めた誘導飛行経路の最適化に関する研究を行った.得られた飛行経路誘導則は,宇宙往還機の姿勢運動を考慮しており,推進剤消費の最小化の観点からも望ましいものとなった.現在,3次元問題,統合的最適化問題にも適用できるよう,制御系の最適設計法の改良に取り組んでいる.2に関しては,ニュートン流理論とスレンダーボディ理論に基づく空力推算,統計式に基づく重量推算を適用することで,機体設計と飛行経路(質点運動のみを考慮)の統合的最適化に関する研究を行った.計算結果から,遷音速における空力性能,推進性能,および飛行経路の関係が設計上クリティカルであることが明らかになった.さらに,空力推算の高速化を図るべく,空力データを応答曲面近似する手法についての研究を進めている.3については,制約条件付き最適化問題向けに遺伝的アルゴリズム(GA)を改良し,さらに,改良されたGAと逐次2次計画法とのハイブリッド化手法(ハイブリッドGA)を開発することに取り組んだ.改良されたGAにおいては,ランダムな初期解設定のもと,複雑な制約条件を含む問題に対してもロバストな探索を行い,準最適な解を見つけることが可能となった.また,ハイブリッドGAにおいては,局所探索性能を大幅に改善すると共に,従来のGAでは得ることが難しかった制約条件の境界上の解を得ることが可能となり,信頼性の高い大域解を得ることが可能となった.
|
-
[Publications] 横山信宏: "遺伝的アルゴリズムを用いた最適制御問題の数値解法"日本航空宇宙学会論文集. (掲載予定). (2003)
-
[Publications] Nobuhiro Yokoyama: "Trajectory Optimization of Space Plane Using Genetic Algorithm Combined with Gradient Method"ICAS Proceedings 2002. 514.1-514.10 (2002)