2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J08764
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
布村 正太 九州大学, システム情報科学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 微粒子プラズマ / 強結合プラズマ / 波動 / プラズマプロセス / ナノ微粒子 / 微粒子発生、成長 / 熱運動 |
Research Abstract |
本年度は、当初の予定通り最初の半年間、ドイツマックスプランク研究所G.Morfill教授のグループにて、強結合微粒子プラズマ中における波動伝播実験及びシミュレーションを行った。また、後半の半年間は、九州大学システム情報科学研究院電子デバイス工学部門にて、有機シリコン材料を含むプラズマ中でのナノ粒子の核発生・成長機構に関する研究を行った。得られた成果の一部は投稿論文としてまとめ、国際会議及び学会にて発表を行った。以下に、主な研究成果を記述する。 1)微粒子プラズマの状態遷移(固体-液体遷移)に伴う熱励起波のスペクトルの変化を観測した。プラズマ中にミクロンサイズの微粒子を導入することにより微粒子プラズマを生成し、微粒子のランダム運動を時空間的にフーリエ解析することで熱励起波のスペクトルを測定した。微粒子の熱運動に起因する温度が上昇するにつれて(固体から液体への遷移に伴い)、短波長モードの横波が徐々に消え失せると供に、音波的性質を持つ短波長モードの縦波が励起されてくる様子を観測した。現在、本研究の成果をまとめるべく論文作成中である。 2)有機シリコン材料を含むプラズマ中でナノ微粒子の発生及び成長過程を観測した。容量結合型高周波放電を用いてAr希釈した材料を解離・活性化し、気相中でナノ微粒子を作製した。生成された微粒子のサイズ及び密度を、その場測定するためにレーザー散乱計測を行った。具体的には、放電終了直後の微粒子の凝集現象から、数十ナノ以下の微粒子のサイズ及び密度を計測した(凝集散乱法)。また、散乱光の偏光強度比から、数十ナノ程度の微粒子のサイズを測定し(散乱比法)、先の凝集散乱法で得られたサイズとのクロスチェックを行った。これらのレーザー散乱計測法により、代表的な微粒子生成の放電条件下において、ナノ微粒子のサイズ成長過程が放電時間に対し比例的であることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Nunomura.S.Zhdanov, G.E.Morfill, J.Goree: "Nonlinear longitudinal waves in a two-dimensional screened Coulomb crystal"Phys.Rev.E. 68. 026407 (2003)
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[Publications] S.Zhdanov, S.Nunomura, D.Samsonov, G.Morfill: "Polarization of wave modes in a two-dimensional hexagonal lattice using a complex (dusty) plasma"Phys.Rev.E. 68. 035401 (2003)