2003 Fiscal Year Annual Research Report
膜レセプター発現型磁性ナノデバイスの構築及びその創薬への応用
Project/Area Number |
02J11296
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
吉野 知子 東京農工大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 磁性細菌 / Gタンパク質共役受容体 / プロモーター / ルシフェラーゼ / ソマトスタチンレセプター |
Research Abstract |
本研究では、磁性細菌が合成するナノサイズの磁気微粒子(磁性細菌粒子)上に膜貫通型のレセプターをディスプレイし、この機能性粒子を用いたリガンドスクリーニングシステムの開発を行うことを最終目的としている。本年度は、高感度スクリーニングを実現するために、膜貫通型レセプターの効率的な磁性細菌粒子上へのディスプレイに関する要素技術の開発を行った。さらに、膜貫通型レセプターを磁性細菌粒子上にディスプレイし、そのリガンド物質の検出を行った。 1)膜貫通型レセプターの効率的な磁性細菌粒子上へのディスプレイ法の検討 磁性細菌内で発現しているタンパク質を2次元電気泳動により展開し、高発現のタンパク質のアミノ酸配列を決定した。得られた配列からORFを決定し、各遺伝子の上流領域に対して、発現を制御するプロモーターの抽出を行った。プロモーターの特性はルシフェラーゼの発現により評価した。抽出したプロモーターのうち、3種類のプロモーターにおいて、高いルシフェラーゼ活性が得られた。さらに、栄養源添加を伴う硫化培養により磁性細菌を培養した結果、ルシフェラーゼ発現が安定、かつ高発現であるプロモーター配列が得られた。この結果は、硫化培養による磁性細菌粒子の大量生産において、機能性の高い外来タンパク質をディスプレイした粒子生産が可能であると考えられた。 2)膜貫通型レセプターのリガンドスクリーニング 膜貫通型レセプターとして膜7回貫通型のGタンパク質共役受容体(G protein coupled receptor : GPCR)の1つであるソマトスタチンレセプターを磁気微粒子上にディスプレイした。磁性細菌粒子上のタンパク質であるMms16のC末端にソマトスタチンレセプターを融合し、磁性細菌粒子上への局在に成功した。さらにペプチドであるソマトスタチンとの結合能が示された。
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[Publications] Tomoko Yoshino, et al.: "Single nucleotide polymorphism genotyping of aldehyde dehydrogenase 2 gene using a single bacterial magnetic particle."Biosensors and Bioelectronics. 18(5-6). 661-666 (2003)
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[Publications] Tomoko Yoshino, et al.: "Assembly of G protein-coupled receptors onto nano-sized bacterial magnetic particles using Mms16 as an anchor molecule."Applied and Environmental Microbiology. In press.