1991 Fiscal Year Annual Research Report
タイおよび韓国における米穀の市場・流通と管理制度に関する比較研究
Project/Area Number |
03041011
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
臼井 晋 北海道大学, 農学部, 教授 (80018093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AUNGSUMALIN サロウ カセサート大学, 商経学部(タイ国), 助教授
柳村 俊介 酪農学園大学, 酪農学部, 講師 (80183979)
山本 博史 協同組合経営研究所, 研究員
坂下 明彦 北海道大学, 農学部, 助教授 (70170595)
山尾 政博 鹿児島大学, 水産学部, 助教授 (70201829)
滝澤 昭義 明治大学, 農学部, 教授 (60123220)
森井 淳吉 阪南大学, 商学部, 教授 (30099684)
三島 徳三 北海道大学, 農学部, 助教授 (40002365)
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Keywords | タイ米 / 米流通 / もみ市場 / 米仲買人 / 米輸出業者 |
Research Abstract |
平成3年11月4日〜同年12月3日の1カ月間、タイ国を訪問し、タイ側の研究分担者、研究協力者とともに、バンコク市およびナコ-ンサワン県、ピッサヌロ-ク県、チェンマイ県、ナコ-ンラチャシマ県を対象に、米流通に関する関係機関・業者・生産者の実態調査を行い、以下の成果と新知見を得た。 (1)これまで不十分・不完全なものしか存在していなかったタイ米の流通経路を、実態調査を通じて精緻化し、鳥瞰図として作成することができた。(2)もみ集荷業者、もみ中央市場、精米業者、精米ブロ-カ-、精米卸売業者、米輸出業者など、これまでその存在がほとんど詳らかにされていない、米取扱業者の実態を調査することができ、それぞれの機能と地位が一定程度明らかになった。(3)生産者から国内消費者および輸出に至る流通段階別の売買価格が、事例的であるが得ることができた。(4)米流通における農協組織の地位と販売事業上の特徴(とくに金融事業との結び付き)が明らかになった。(5)農業主産および米消費における地帯別差異存在が、米の市場圏・流通圏に地域性をもたらしていることが確認された。 当初に設定した研究目的と具体的研究計画は、おおよそ達成されつつあると判断される。とくに、今回の調査を通じて、タイにおける米流通経路のほぼ全貌が明らかになり、フロ-・チャ-トとして作成できたことは、こうした整理が日本のみならずタイ国内においてもこれまで著しく不備であったことから見て、一定の評価が与えられよう。また、わが国ではほとんどその存在が知られていなかった一部の米取扱業者・組織に対して初めて調査を行い、その実態を明らかにしたことも、貴重な成果である。
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