1991 Fiscal Year Annual Research Report
東アフリカにおける人類と現生類人猿の起源に関する研究
Project/Area Number |
03041045
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石田 英実 京都大学, 理学部, 教授 (60027480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ミィーブ・リーキー ケニア国立博物館, 古生物学研究部門, 部長
バルク バジョベ ザイール国立科学研究センター, 主任研究員
中務 真人 大阪医科大学, 助手 (00227828)
仲谷 英夫 香川大学, 教育学部, 助教授 (20180424)
石田 志朗 山口大学, 理学部, 教授 (40025268)
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Keywords | 人類の超源 / 中新世ホミノイド / ケニアピテクス / サンプル=ホミノイド / 北ケニア / サンプル=ヒルズ / ナチョラ地域 / 化石調査 |
Research Abstract |
平成3年度に実施した調査は、フィ-ルドでのホミノイド化石調査と、博物館などでのホミノイドや他の霊長類の形態的比較調査とに大別でき、以下に各々について述べる。 2.フィ-ルド調査は、北ケニアのサンブル=ヒルズとナチョラ地域において行ったが、今年度は新たな3年計画の第1年目にあたるため、まず長期使用に耐える基地と自動車道路の整備をとくに重要視し、調査期間の前半ではそれらを優先した。後半では化石の踏査と発掘が中心となった。大型ホミノイド化石の追加発見には恵まれなかったが、多数の哺乳類化石や中型および小型ホミノイド化石が採集され、今後の調査の重要性を改めて示唆した。 2.博物館などでの化石標本や現在標本の比較デ-タの収集調査は以下の3点であった。a.ケニア国立博物館において、中新世ホミノイド、鮮新世ホミニド、さらに現生および化石オナガザル標本の比較研究を行った結果、ケニアピテクスとサンブル=ホミノイドが人類の起源において極めて重要な位置を占めることを、咀嚼システムや身体の運動システムなどの分析から再確認された。b.サンブル=ヒルズ、ナムルングレ累層から発見したサイ科4種およびウシ科4種の比較研究をロンドンの大英博物館(自然史)およびパリの国立自然史博物館において行った結果、サイ科の1種はイラノテリウム亜科に属する新種であり、この時代のウシ科の全ては北アフリカ、西アジア産と共通することが判明した。c.ケニアピテクスの身体移動様式を分析するために、インドネシア、西スマトラ州パダンのアンダラス大学動物学教室所蔵のラング-ル類四肢骨の観察と計測を行い、形態特徴が支持基体の性質と強い関連を示すという結果が得られた。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] 石田 英実,山下 真幸,国松 豊,中務 真人,中野 良彦,木村 博,荘村 泰治: "ケニヤピテクス上顎第2大臼歯咬合面観の等高形図による比較解析" 霊長類研究. 7. 170 (1991)
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[Publications] 安井 金也,国松 豊,久家 直之,バルク=バジョベ,石田 英実: "東ザイ-ル・セムリキ地域における古人類学的調査と化石哺乳類による年代推定" 人類学雑誌. (1992)
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[Publications] 石田 英実,国松 豊,山下 真幸,中野 良彦,中務 真人,安井 金也,平埼 鋭矢: "東アフリカ中新世中・後期ホミノイドの食性とロコモ-ション" 人類学雑誌. (1992)
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[Publications] 石田 英実: "Kenyapithecusの足形態" 人類学雑誌. (1992)
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[Publications] 中務 真人: "霊長類四肢骨形態の分析ー旧世界ザル4属における属内変異の比較" 人類学雑誌. (1992)
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[Publications] H.ISHIDA,E.MBUA,Y.NAKANO,K.YASUI: "Sexual dimorphism in canine size of Kenyapithecus from Nachola,Northern Kenya" Primatology Today. 517-520 (1991)
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[Publications] H,MATSUMURA,M.NAKATSUKASA,H.ISHIDA: "Comparative study of crown cusp areas in the dentition of African apes" Primatology today. 539-544 (1991)
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[Publications] K.YASUI,Y.KUNIMATSU,N.KUGA,B.BAJOPE,H.ISHIDA: "Fossil mammals from the Neogene strata in the Sinda basin,eastern Zaire" African Study Monographs. (1992)
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[Publications] M.WATABE,H.NAKAYA: "Phylogenetic significance of the postcranial skeleton of the hipparions from Maragheh late Miocene,northern Iran" Mem.Fac.Sci.Kyoto Univ.Ser Geol.& Min.56. 11-53 (1991)
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[Publications] M.WATANABE,H.NAKAYA: "Cranial skeleton of Hipparion (Perissodactyla,Mammalia) from Maragheh (Turolian,late Miocene) northern Iran" Mem.Fac.Sci.,Kyoto Univ.Ser.Geol.& Min.56. 55-125 (1991)
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[Publications] Y,KUNIMATSU: "A revison of the hypodigm of Nyanzapithecus vancouveringi" African Study Monographs. (1992)
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[Publications] Y.KUNIMATSU: "New finds of a small anthropoid primate from Nachola,northern Kenya" African Study Monographs. (1992)