1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03042016
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
川井 啓市 京都府立医科大学, 教授 (50079745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劉 輝雄 劉輝雄内科胃腸科医院, 院長
楊 國郷 馬偕記念病院, 主任
王 正一 台湾大学, 医学部, 教授
王 徳宏 台湾大学, 医学部, 教授
渡辺 能行 京都府立医科大学, 講師 (00191809)
土橋 康成 京都府立医科大学, 助教授 (50106390)
青池 晟 京都府立医科大学, 助教授 (00117871)
高橋 俊雄 京都府立医科大学, 教授 (50079828)
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Keywords | 胃癌 / 大腸癌 / 記述疫学 / 死亡統計 |
Research Abstract |
十二指腸潰瘍が胃潰瘍よりも多く、かつ胃癌が少ない沖縄県に隣接する台湾でも十二指腸潰瘍が胃潰瘍より多いといわれており、台湾における胃癌や大腸癌の実態を明かにし、その発生要因を検討するのが本研究の目的である。台湾の死亡統計による記述疫学的実態をみてみると人口約2千万人の台湾地区で1年間に約10万人の死亡者があり、死因順位は1位悪性新生物、2位脳血管疾患、3位不慮の事故及び有害作用となっていた。1988年の台湾における悪性新生物死亡は18,233人であり、その死因の上位は男では、肝臓癌、肺癌、胃癌、食道癌、結腸癌、白血病、女では、肺癌、子宮癌、肝臓癌、胃癌、乳癌、結腸癌の順となっていた。台湾と日本における胃癌、結腸癌、直腸癌、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の瀬木の世界人口を基準人口とした性別年齢調整死亡率を1974年〜1989年について求めて比較した。男性では、台湾においても日本においても、胃癌、胃潰瘍及び十二指腸潰瘍の減少傾向と結腸癌と直腸癌の増加傾向が認められた。女性でも、胃癌、胃潰瘍及び十二指腸潰瘍の減少傾向は台湾と日本の両者に共通して見られたが、大腸癌では、台湾で結腸癌が漸減傾向、直腸癌が漸増傾向を示したのに対して、日本で直腸癌が漸減傾向、結腸癌が増加傾向を示していた。台湾においては日本よりも胃癌が高率であり、また上記期間を通して男女ともにおいて結腸癌の方が直腸癌よりも高率であり、いわゆる欧米的なパタ-ンを呈していたことが強調される。更に現在、臨床統計資料を収集中であり、次年度末には集計・解析する予定である。台湾における胃癌と大腸癌の分析疫学的アプロ-チとしては、1991年12月より内視鏡検査受診者の生活習慣の調査を開始しており、症例・対照研究の手法を用いて次年度末までに解析する予定である。その他、台湾人の背景胃粘膜の病理学的検討も行う予定である。
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