1991 Fiscal Year Annual Research Report
北米西部の粘液分泌植物を対象とする抗ガン性物質の開発
Project/Area Number |
03042017
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
中西 勤 摂南大学, 薬学部, 教授 (10028855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
邑田 仁 東京大学, 理学部, 講師 (90134452)
邑田 裕子 摂南大学, 薬学部, 助手 (20167620)
稲田 昭 摂南大学, 薬学部, 助教授 (70095305)
山本 浩文 岐阜薬科大学, 助手 (40210554)
田中 稔幸 岐阜薬科大学, 助手 (60137065)
飯沼 宗和 岐阜薬科大学, 助教授 (70082998)
水野 瑞夫 岐阜薬科大学, 教授 (00082967)
LANG Frank A Southern Oregon State College, Professor
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Keywords | 粘液分泌植物 / 植物成分 / マウス白血病P388腫瘍制癌活性 / 抗発癌プロモ-タ-活性 / 抗HIV活性 / オレゴン州 |
Research Abstract |
本年度の調査により、主にオレゴン州内から、種子植物35科81属103種、シダ植物1科2属2種、地衣類3種を作成抽出用の資料として採集した。これらのほとんどは目的とする粘液分泌植物であった。同時に、証拠標本として90属約300種の押し葉標本を作製しミズ-リ植物園および東京大学理学部ハ-バリウムの標本と比較して同定した。このように、粘液分泌植物は予想していたよりもはるかに多くの科に見いだされ、また粘液の性質も多様であることがわかった。採集した資料は南オレゴン州立大学で乾燥後、日本に送り、粘液分泌物をアセトンで抽出し、その他の成分をエタノ-ルで抽出した。現在アセトン抽出エキス及びエタノ-ル抽出エキスについて、i)マウス白血病P388腫瘍に対する制癌活性、ii)抗発癌プロモ-タ-活性およびiii)抗HIV活性をそれぞれ検定中であり、以下の中間結果が得られている。i)に関しては得られた150検体中35検体について検定を行ない,バラ科などに活性が認められたが,他の検体については検討中である。ii)に関して、アセトン抽出エキスではEriodictyon(Hydrophyllaceae)、Cryptantha(ムラサキ科)、Hackelia(ムラサキ科)、エタノ-ル抽出エキスではEriodictyon、Orthocarpus(ゴマノハグサ科)、クロウメモドキ科などで比較的強い活性が認められている。iii)に関して、アセトン抽出エキスではCrypthamnus(ムラサキ科)、Sanguisorba(バラ科)、エタノ-ル抽出エキスでは,バラ科,カエデ科などで比較的強い活性が認められている。活性が認められたものについては今後さらに詳しく検討するためエキスの分離精製に着手している。
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