1991 Fiscal Year Annual Research Report
フラクタル系のダイナミックスに関する大規模シミュレ-ションとその理論解析
Project/Area Number |
03044012
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中山 恒義 北海道大学, 工学部, 教授 (80002236)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
IVETA Piment カルフォニア大学, ロス分校・物理学科, 助手
SHLOMO Alexa ワイズマン研究所, 物理化学部門, 教授
ROBIN Bruins カルフォニア大学, ロス分校・物理学科, 教授
RAYMOND Orba カルフォニア大学, ロス分校・物理学科, 教授
大月 俊也 福井大学, 工学部, 助教授 (10203845)
松下 貢 中央大学, 理工学部, 教授 (20091746)
矢久保 考介 北海道大学, 工学部, 助手 (40200480)
|
Keywords | フラクタル / パ-コレ-ション / フラクトン / ランダム / 局在励起 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ランダムおよびフラクタル構造に固有な動的諸性質を、ス-パ-・コンピュ-タを用いた大規模シミュレ-ションにより解明することである。フラクタル構造、特にパ-コレ-ション系ではフラクトン次元d_fが、その動的性質を記述するうえで重要な役割を担う。これまで我々は、ランダム・フラクタル構造のDOS,分散関係,局在等の動的諸性質をスパコンを用いた大規模シミュレ-ションによって明らかにしてきた。上記のようなランダム系の動的性質に関する正しい知見を得るためには、出来るだけ多くのサイト数を有する系を扱うことが必要である。本研究では、ス-パ-コンピュ-タおよび我々が開発した並列計算向きアルゴリズムを用いて10^6個のサイト数を有する巨大パ-コレ-ション系のシミュレ-ションを行なった。最初に2次元および3次元規則格子上にサイト数が10^6を超える巨大パ-コレ-ション・クラスタ-をモンテ・カルロ法を用いて作った。次に周期的外力による共鳴を利用した並列計算向きアルゴリズムを用い、これによりベクトル変位を持つパ-コレ-ション・クラスタ-の振動状態密度および、モ-ド・パタ-ンをス-パ-コンピュ-タで数値計算した。これにより、現実の物質内で励起されるベクトル・フラクトンの状態密度およびモ-ド・パタ-ンを計算し、ユニバ-サリティ-・クラス、局在性など、スカラ-・フラクトンとの差異を明確にすることができた。以上のように、平成3年度において、10^6個のサイト数を扱えるアルゴリズム(強制振動法)を開発し、また得られた結果の精度の評価法を確立した。このアルゴリズムは、極めて高い汎用性を有し、簡単な拡張で任意のエルミ-ト行列の固有値問題を扱うことが可能である。また平成3年度においては、パ-コレ-ション系の動的構造因子の大規模計算を行ない、一応の成果を上げた。動的構造因子S(qω)の計算の重要性は、散乱実験により直接観測出来るということばかりでなく、ランダム・フラクタル構造に対して極めて重要な概念であるSLS(single length scaling)仮説を明確に実証できる物理量でもあるからである。この意義について平成3年度において、オ-バック教授およびアレキサンダ-教授を招聘し、結果の解析を徹底的に行った。また上記の研究をレヴュ-としてまとめるため、論文内容の打ち合わせのため代表者と共同研究者がオ-バック教授を訪問した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] K.Yakubo: "Analysis of a new method for finding eigenmodes of very large lattice systems" J.Phys.Soc.Japan. 60. 3249-3259 (1991)
-
[Publications] T.Nakayama: "Raman correlation function of percolating networks" Proc.Inter.Symp.on Slow Dynamics in Condensed Matter,edited by M.Tokuyama (AIP press,NY),.
-
[Publications] T.Nakayama: "Dynamical correlation function of fractal networks:computer simulations" Proc.Inter.Meeting on Computational Physics for Condensed Matter Phenomena-Methodology and Application,edited by H.Takayama,.