1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03044068
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
三富 紀敬 静岡大学, 人文学部, 教授 (80135227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ADAMY W. ドイツ労働総同盟付属研究所, 研究員
DAUBLER W. ブレーメン大学, 法学部, 教授
FRIEDMAN A. ブリストル大学, 経済学部, 教授
CASEY B. 政策調査研究所(ロンドン), 研究員
GAUVIN A. パリ第1大学, 労働経済セミナー, 教授
MICHON F. パリ第1大学, 労働経済セミナー, 教授
布川 日佐史 静岡大学, 人文学部, 助教授 (70208924)
寺村 泰 静岡大学, 人文学部, 助教授 (20197809)
伍賀 一道 金沢大学, 経済学部, 教授 (20104870)
加藤 佑治 専修大学, 経済学部, 教授 (40083513)
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Keywords | 就業形態の弾力化 / 人材派遣 / 請負 / パ-トタイム / 期限つき雇用 / 不法就労 / 労働力移動 |
Research Abstract |
研究方法も含めておよそ次のような知見を得た。 第1に、弾力的な就業形態の規模と構成についてわが国ではもっぱらストックをもって示すが、西欧3カ国ではそれに加えてフロ-でも分析すること。この場合のフロ-とは、入職者の労働契約形態別に構成をみること、および失業者化の事由別に構成をみること、これらである。こうした分析は、弾力的な就業形態の進捗度合いを示すことはもとより雇用対策の実効性を吟味するうえでも意義をもつ。 第2に、法・協約による規制のかけられた人材派遣から比較的拘束力のうすい請負への展開という方向が、確認された。この傾向はとりわけフランスとドイツに顕著であり、請負についての法的な規制をめぐって新しい理論もさくがはじまっている。請負は、いずれの国でも3〜4あるいは5段階にわたる階層をなし、その末端には観光ビラで入国する外国人の不法就労という労働が移動の国際的な広がりさえみられた。 第3に、ドイツとフランスにおける1985〜86年および90〜91年における法制ならびに協約の弾力化をめぐっては、いずれも雇用創出の効果に乏しいものという結論を得た。 第4に、パ-トタイムをはじめ人材派遣および期限つき雇用についてのヨ-ロッパ共同体指令(案)の国内法制へのはねかえりについては、イギリスについてだけ想定されドイツとフランスについては直接的には認めがたいということである。 以上の論点のうち第2と第4についてはいっそうの研究を要するところである。とりわけ第2については、請負についての比我の相違ともかかわって円念な調査研究を要するところであり、次年度の作業としてひき継がれる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 三富 紀敬: "全国派遣企業賃金生活者組合の要求綱領" 静岡大学法経研究. 41. 120-152 (1992)
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[Publications] 三富 紀敬,布川 日佐史: "英独仏マンパワ-社の経営動向" 静岡大学法経研究. 41. 232-273 (1992)
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[Publications] 伍賀 一道: "西欧における雇用形態の多様化と労使の対応" 金沢大学CURES. 21. 4-6 (1991)
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[Publications] 伍賀 一道: "1990年EC指令案とイギリス各団体の見解" 金沢大学経済学部論集. 12. 78-105 (1992)
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[Publications] 加藤 佑治: "情報処理技術者の社会的地位" 専修大学社会科学研究所月報. 347. 1-21 (1992)