1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03044105
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
畑中 顯和 山口大学, 農学部, 教授 (90035098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KRAMNER Gerh ヴルツヴルグ大学, 博士研究員
FROLICH Otme ヴルツヴルグ大学, 博士研究員
WINTERHALTER ペーター ヴルツヴルグ大学, 助教授
SCHREIVER Je ヴルツヴルグ大学, 講師
SCHREIVER Pe ヴルツヴルグ大学, 教授
久保田 紀久枝 お茶の水女子大学, 家政学部, 助教授 (90008730)
小林 彰夫 お茶の水女子大学, 家政学部, 教授 (40005591)
松井 健二 山口大学, 農学部, 助手 (90199729)
梶原 忠彦 山口大学, 農学部, 教授 (90035121)
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Keywords | 香りの発現 / 香りの生理機能 / 緑茶 / テルペンアルコ-ル配糖体 / みどりの香り / 海藻の香り / 紅茶の香り / ワインの香り |
Research Abstract |
茶葉の酵素を殺青しみどりの香りを保持する緑茶に対し、紅茶では葉の酵素を充分に働かせ、独特の色と芳香が生成されている。Bグル-プでは、その香気形成解明の一環として、前駆体と考えられるテルペンアルコ-ル配糖体の茶葉中の組成及びその構造解析を進めている。今年度、緑茶用(ヤブキタ種)及び紅茶用(スリランカhybrid種)生葉を用いて茶樹の品種による配糖体組成の比較を行った結果、相違が認められたのでそれぞれの新芽を用いて配糖体を分離中である。配糖体の分離には高度の技術を要するが、久保田は茶の試料を、ワインや果物の香りについて同様の研究を行っているドイツのCグル-プの研究室に持参し、4週間共同実験及び討論を行い、新しい技術を修得して帰国し、現在、日本で実験を続行中である。この結果については、P.Winterhalterの来日時(3/21〜28)にさらに検討し改良を重ね、研究の展開について討論し合うこととなる。 一方、Cグル-プのFTーIRーGCーMS超微量分析技術の本共同研究における有効性について、日本より持参したAグル-プの合成したみどりの香り(青葉アルコ-ルをはじめ、みどりの香りの構成化合物)の標準化合物8種及び上記茶試料をもちいて検討した。その結果、pg(10^<-12>g)の濃度までGCーMS、二次元GCーMSで化合物の検知、立体異性体の分離分析が可能であることが判明し、本研究の遂行にはこの微量分析技術の導入が不可欠であること及びこれによって画期的に研究が発展することが示された。 現実には8月の研究代表の訪独がはじめてで、研究打ち合わせと実験開始が交付との関係で初年度は大幅に遅れたが、双方懸命に密な打ち合わせて連絡によって加速的に活動をはじめている。特に本年10月の研究代表及び研究分担者松井健二博士の訪独実験(初期の予定より10日間延長)1993年3月来日予定のHuffer博士(初期より10日間延長)により大幅の研究を期待している。
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