1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03044106
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
井上 勲 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助教授 (80001973)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BOURNAUD Rol Universite PARIS XII Laboratoire de Phys, 教授
SHIMAHARA Ta CNRS, France・Laboratoire de Neurobiologie, 主任研究員
|
Keywords | 骨格筋細胞 / 興奮ー収縮連関 / DHPリセプタ- / α_1サブユニット / セグメント4 / 膜内電荷移動 |
Research Abstract |
マウス胎児骨格筋細胞のT管膜における固定電荷移動と筋小胞体からのCa^<2+>放出との関係を明らかにするために、それらに対する脂溶性イオンの影響を調べた。T管膜内の電圧センサ-(電荷)は膜の脱分極に従って細胞の内面側から外面側に向って動く。センサ-が正電荷の場合内から外に、また負電荷の場合外から内に動く。現在、電圧センサ-はT管膜中のdihydropyridine(DHP)結合タンパク質α_1サブユニット、セグメント4内の正電荷であろうと想像されている。もしそうであるならば、脂溶性陰イオンが細胞内からセンサ-を中和し、膜内電荷移動と小胞体からのCa^<2+>放出を抑制することが予想される。 この予想に反して、我々治脂溶性陽イオンであるRhodamine 6G,tetraphenylphcsphoniumが、細胞外側からのみdoseーresponse的に、膜内電荷移動,細胞内Ca^<2+>放出を阻害することを見出した。脂溶性陰イオンである8ーanilinoー1ーnaphthaleneーsulfonic acid,tetraphenylboronは細胞内外ともに阻害効果を全く示さなかった。 我々の結果は膜の外面近くの負電荷が脂溶性陽イオンによって中和されることが、電圧センサ-の不動化をもたらすことを示す。このことは二つの可能性を示唆する。最も単純な可能性は、これまでの予想に反してセンサ-は負電荷であること。あるいは仮にセンサ-がセグメント4の正電荷である場合、膜表面近くの他のサブユニットの負電荷の中和により、セグメント4のセンサ-の不動化が起こることである。これからの研究課題である。いずれにしても我々の研究により、膜内電荷移動が骨格筋興奮ー収縮連関におけるシグナルトランスダクション機構であることが鮮明となった。
|
-
[Publications] Inoue,I.,Bournaud,R.,and Shimahara,T.: "Effect of lipophilic cations on intra-membrane change movement and L-type Calcium current in isolated mouse skeletal muscle cells" J.Physiol.(Lond.). (1992)
-
[Publications] Strube,C.,Bournaud,R.,Inoue,I.and Shimahara,T.: "Outogenese des couvements de changes du muscle squlettique de foetus de souris" AFM Colloque de Montpellier de Corum 1991. (1991)
-
[Publications] Strube,C.,Bournaud,R.,Inoue,T.and Shimahara,T.: "Development of intramembrane change movement in poetal mouse skeletal muscle cells" PPlugers Arck.
-
[Publications] Shimahara,T.,Bournaud,R.,Inoue,T.and Strube,C.: "A dihydropyridine sensitive calcium channel in skeletal muscle cells" XVI eme Conference en Neurobiologie de Gif. (1991)