1991 Fiscal Year Annual Research Report
日韓両国の工業型地方都市の構造転換に関わる都市計画対応に関する比較分析
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03044109
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
萩島 哲 九州大学, 工学部, 教授 (70038090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
アナント ユドノ ハサノデン大学, 工学部(インドネシア), 副教授
朴 鍾ちょる 大浦大学校, 社会科学部(韓国), 副教授
金 哲洙 啓明大学校, 工学部(韓国), 副教授
金 晟坤 東亜大学校, 工学部(韓国), 教授
金 南がく 江原大学校, 工学部(韓国), 教授
北村 速雄 西日本工業大学, 助教授 (80069814)
大貝 彰 九州大学, 工学部, 助手 (10160433)
黒瀬 重幸 八代工業高等専門学校, 助教授 (20153413)
菅原 辰幸 広島工業大学, 助教授 (60104072)
佐藤 誠治 大分大学, 工学部, 教授 (70113412)
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Keywords | 工業団地開発 / 都市構造の転換 / スプロ-ル市街地 / 高密度市街地 / 都市の活性化 |
Research Abstract |
研究対象とした都市は、日本では都市構造の転換を検討されている北九州市、大分市、八代市、の3都市であり、韓国が、春川市、蔚山市、木浦市、亀尾市、の代表的な地方4都市であり、インドネシアでは、新規に工業団地開発が進行している地方中枢都市のウジュンパンダン市である。 以下の地方都市の構造に関して得られた知見をまとめる。 1.都市構造を規定しているのは、日本においては、交通網(道路、鉄道等)と商業系、工業系土地利用である。人口密度分布は、この構造の核である都市に沿った低下していく密度曲線を描く。しかも全体として低密度のスプロ-ル市街地の形成である。 2.韓国の場合は、道路網による都市構造の形成であり、その中心は商業地の土地利用である。同時に商業地を含めた中心市街地に高密度の市街地が形成されている。この市街地の周辺は、農村的土地利用であり、スプロ-ル現象はきわめて少ない。これに寄与しているのが、韓国独自の制度であるグリ-ンベルト法である。 3.工業団地開発では、韓国では市街地と分離して計画的誘導がなされており、開発と工業立地がほぼ同時期であるのに比べ、日本では、工業団地整備はなされるが、工業立地が進むのはきわめて遅いのでが実体である。 4.インドネシアの工業団地開発の整備水準は低いが、工業立地の誘導は韓国ほどの早さはないが、日本に比べると早い。しかし、都市の構造を規定する交通網整備が低く今後に課題を残している。 5.日本における既存の工業地の衰退にともなう構造の転換は、韓国、インドネシアとも未経験の段階であり、新開発に伴う都市構造整備が現在の課題である。 以上、各研究の有機的、立体的な関連は持ちえていないのが現在の研究段階であり、最終年度にそのまとめを行いたい。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 萩島 哲: "韓国の開発制限区成立過程とその効果" 日本建築学会九州支部研究報告. 33・3. 245-248 (1992)
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[Publications] 佐藤 誠治: "メッシュデ-タシステムによる日韓地方都市の人口分布に関する研究" 日本建築学会九州支部研究報告. 33・3. 241-244 (1992)
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[Publications] 黒瀬 重幸: "日韓両国の都市計画教科書の比較ーPROLOGによる索引の分析事例ー" 日本建築学会九州支部研究報告. 33・3. 201-204 (1992)
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[Publications] 大貝 彰: "インドネシアの地方中枢都市(ウジュンパンダン)の都市形成史に関する研究" 日本建築学会九州支部研究報告. 33・3. 269-272 (1992)
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[Publications] 朴 鍾ちょる: "木浦市の都市基本計画策定のための市街地形成史に関する考案" 日本建築学会九州支部研究報告. 33・3. 265-268 (1992)