1991 Fiscal Year Annual Research Report
成文法と判例法を融合した法律人工知能システムの国際共同研究
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03044133
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
吉野 一 明治学院大学, 法学部, 教授 (50062162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RUESSMAN Hel ザールランド大学, 法学部, 教授
KOWALSKI Rob ロンドン大学, インペリアルカレッジ・コンピュータ科学部, 教授
HERBERGER Ma ザールランド大学, 法学部, 教授
ASHLEY Kevin ピッツバーグ大学, 法学部, 助教授
BERMAN Donal ノースイースタン大学, ロースクール, 教授
HAFNER Carol ノースイースタン大学, コンピュータ科学部, 準教授
桜井 成一朗 東京工業大学, 大学院・理工学総合研究科, 助手 (20202088)
北原 宗律 広島修道大学, 商学部, 助教授 (70234268)
原口 誠 東京工業大学, 大学院・理工学総合研究科, 助教授 (40128450)
加賀山 茂 大阪大学, 法学部, 助教授 (20169379)
松村 良之 北海道大学, 法学部, 教授 (80091502)
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Keywords | 法的知識表現 / 類推推論 / ル-ル型推論と事例型推論の融合システム / 法的知識の発見と定立 / 法律知識ベ-スの構築 / アブダクション / 国際統一売買法の論理分析 / 法的メタ知識 |
Research Abstract |
本研究は、国際統一売買法を一つの対象領域として、成文法国である日本および西ドイツと判例法国であるアメリカ合衆国の研究者が、それぞれの法体系の特徴である「ル-ルに基づいた推論」と「事例に基づいた推論」の論理分析を共同して行なう。そしてそれぞれの推論のシステム化の研究成果を交換するとともに、共同で法的ル-ルの解釈と類推適法のメカニズムを解明し、それに基づいてル-ル型の推論システムと事例型推論システムとを融合させたシステムを構築することを目的とする。 本年度は、まず法的知識の表現方法として複合述語論理式が有効な方法であることが確認できた。さらに大陸法における類推(ル-ルからの法的類推)のシステムが人工知能における仮説推論の技法を用いて少なくとも一部は実現できることが明らかにされた。次に日本側研究者が相手国側、すなわち、ロンドン大学、ザ-ルランド大学、ノ-スイ-スタン大学およびピッツバ-グ大学を訪問し研究の計画と方法を確認し、ル-ルからの類推推論のシステムと事例からの推論システムの研究成果を相互に交換し、共通の基盤を作ることができた。さらに日本側は国際統一売買法のル-ルの論理構造を分析し形式化を行なった。分析によってメタ知識とその役割が次第に明かとなっている。法律知識ベ-ス構築の際、条文はその自然言語表現に忠実に形式化し、それらの間を埋める法原則や法的概念定義などを発見して別途知識ベ-スに登載すべきことが明らかになった。さらに、それらの知識の発見・定立を制約するメタ知識をも同様に発見し、知識ベ-ス化する必要性が一層明らかになった。この線で知識ベ-ス化を進めている。コ-ディングの不備を補うための矛盾点追跡アルゴリズムに基づくデバッガも作成した。
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