1991 Fiscal Year Annual Research Report
高分解能表面顕微鏡を用いたエピタキシャル成長面の研究
Project/Area Number |
03044136
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
市ノ川 竹男 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70063310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SCHMID A. ベルリン自由大学, 個体物理研究所, 助手
FANELSA A. ベルリン自由大学, 個体物理研究所, 助手
SCHNEIDER C. ベルリン自由大学, 個体物理研究所, 助教授
KIRSCHNER J. ベルリン自由大学, 個体物理研究所, 教授
井藤 浩志 総稲田大学, 大学院・理工学研究科, 日本学術振興会特別研
大島 忠平 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10212333)
大槻 義彦 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50063649)
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Keywords | 高分解能表面顕微鏡 / エピタキシャル成長 / 表面ステップ構造 / 表面分析 / 表面の原子配列決定 |
Research Abstract |
平成3年度は次のような研究実績をあげることができた。 (1)Si(001)上の金属アイランドのエレクトロマイグレ-ションの発生機構の解明 Si(001)上の数μmφの金属アイランドは下地のSiに流す電流の向きとは,金属によって異なる方向に移動する現象を我々が発見した。この駆動力がどのような理由で発生するかが不明であったが,Fanelsaは我々の研究室で,1ケ月半の研究の結果,駆動力は電流効果であることを確認した。さらに島の一方側を電子ビ-ムで照射し,加熱すると島は温度の高い方向に移動することを発見した。このことは電子流による温度上昇で島の附近に局所的な温度差が生じ,この温度差が表面張力の異方性の原因となり,島が移動することを明らかにした。ゆわゆる半導体ー金属界面でのペルチェ効果である。 (2)小型電界放射電子銃の設計と性能のシミレ-ション 超高眞空中で自由に動かせる小型電界放射電子銃の必要性に迫られ,市ノ川とKirschnerはその設計方針を検討し,長さ7cm,直径1cmφの小型電界放射電子銃の設計を行い,レンズに特別な性能をもった静電レンズを用い,カソ-ドにWーZrのエミッタ-を使用した場合,1KV,10^<ー10>Aの電子プロ-ブが300Åの分解能でえられることがシミレ-ションの結果明らかになった。現在,この電子銃は製作中で,分解能は実験的に実証される。 (3)走査型トンネル顕微鏡によるエピタキシャル成長面の研究 井藤,Schmitらは走査型トンネル顕微鏡を用い,Pt/Si(001)及びCo/Cuのエピタキシャル成長をしらべ,その表面構造,表面欠陥を原子分解能で決定した。さらにSi(001)のシングルドメイン表面の2原子層ステップの構造を明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Ichinokawa: "Epitaxial growth in Cu/Si(100) at high temperatures" Surf.Sci.241. 416-424 (1991)
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[Publications] H.Itoh: "Scanning tunneling microscopy of monolayer graphite epitaxially grown on TiC(111)" Surf.Sci.254. L437-442 (1991)
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[Publications] H.Itoh: "Low-energy-electron diffraction and scanning tunneling microscopy studies of the Pt/Si(001)" Phys.Rev.B. March15. (1992)
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[Publications] T.Ichinokawa: "Electromigration of metallic islands on Si (001) surface" Phys.Rev.Lett.May. (1992)
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[Publications] H.Itoh: "Structure of double-atomic height steps in Si(001) surface observed by STM" Phys.Rev.B. (1992)
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[Publications] a.Schmid: "In situ observation of epitaxial growth of Co thin film on Cu(100)" Ultramicroscopy. May. (1992)