1992 Fiscal Year Annual Research Report
大気ニュートリノ中のミューニュートリノ欠損の解明(副題:ニュートリノ質量の起源について)
Project/Area Number |
03101002
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
戸塚 洋二 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (40011712)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶田 隆章 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (40185773)
鈴木 厚人 高エネルギー物理学研究所, 助教授 (00100818)
宮野 和政 新潟大学, 理学部, 教授 (10011529)
|
Keywords | 大気ニュートリノ / ミューニュートリノ / ニュートリノ振動 |
Research Abstract |
水チェレンコフ測定器カミオカンデを使った大気ニュートリノの観測は順調に進んでいる。本特別推進研究が始まってからの1.2年分の新たなデータの解析を行った。この間新たに103例のニュートリノ現象を観測した。このデータに関し電子ニュートリノを基準としてミューニュートリノ反応数を理論値と比べると、測定値は理論値の0.60±0.14(統計誤差)であった。このミューニュートリノ欠損の値は以前のデーターとよく一致し、全データを合わせると上記の値は0.60±0.06(統計誤差)±0.06(系統誤差)となり、ミューニュートリノ欠損の統計的有意さはすでに5シグマに近い。ニュートリノ振動の可能性がますます大きくなってきた。また、ニュートリノ振動のあるパラメータで期待されるニュートリノ反応の天頂角分布及びエネルギー分布の異常を調べたが、これらに関しては特に際だった異常は観測されていなかった。 一方本研究におけるビームテスト実験は、大気ニュートリノの解析で使っている電子とミュオンの識別方法の誤差を、性質のよく分かっている加速器からのビームを用いて、定量的に求めるために行うものである。平成4年確は実験の詳細検討を重ね、平成5年度後半のビームテスト実験に向け準備が進行した。特に、純水タンクの設置は完了した。またビーム強度及びビームの中に含まれる電子、ミュオン、π中間子の割合を測定し、ビーム強度、質共に我々の実験にとって十分であることを確認した。またデータ収集、解析プログラム等の準備も進んでいる。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] K.S.Hirata et al.,: "Observation of a sinall atmospheric Vm/Ve ratio in Kamiokande" Physics Letters B. 280. 146-152 (1992)
-
[Publications] E.B.Beier et al.: "Survey of atmospheric neutrino data and implications for neutrino mass and mixing" Physics Letters B. 283. 446-453 (1992)
-
[Publications] M.Mori et al.,: "A limit on massive neutrino dark matter from kamiokande" Physics Letters B. 289. 463-469 (1992)