1991 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌および慢性胃炎とヘリコバクタ-との関連性についての病理・疫学的研究
Project/Area Number |
03151010
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久道 茂 東北大学, 医学部, 教授 (10142928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大堀 均 仙台市衛生研究所, 微生物課, 課長 (40004741)
渋木 諭 宮城県対がん協会がん検診センター, 副所長
渡辺 昌 国立がんセンター研究所, 疫学部, 部長
名倉 宏 東北大学, 医学部, 教授 (90022821)
深尾 彰 東北大学, 医学部, 助教授 (80156736)
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Keywords | ヘリコバクタ-・ピロソ / 有病率 / ペプシノ-ゲン値 / 胃癌 / 胃炎 |
Research Abstract |
1983年MarshallとWarrenによって報告されて以来、Helicobacter pylori(以下HPと略す)と胃疾患との関連性が示唆されている。特に、血清中のHP抗体価および胃粘膜組織中のHPの有病率と慢性胃炎や胃癌との関連性が注目されている。本研究は、(1)一般住民におけるHP抗体価の状況および胃粘膜組織中のHPの有病率、(2)各種胃疾患とそれら病理組織とHPの関連、(3)HP抗体価等とライフスタイルとの関連などを知ることが目的である。 一般住民のHP抗体価については、秋田県、岩手県、宮城県の赤十字血液センタ-の供血者を対象として、性、年齢(6階級)層化抽出(各40名)合計1,366人の血清についてELISA法(米国クエデル社製キット)で測定した。現時点で結果の判明している宮城県分の454名の測定によるとHP抗体有病率は加齢と共に上昇するが50歳から上昇がにぶる。また、全体として男性の有病率が女性より高いが20歳代、10歳代では逆転し女性の方が高い。このことと関連して、同じ検体1,366件(3県分)の血清ペプシノ-ゲン値も測定した。地域差、胃癌SML、およびHP有病率との関連について分析中である。なお、近く沖縄住民の血清について検索を行うことにしている。 胃粘膜組織中のHP有病率については、胃集検で行われた胃生検の組織標本の中から、内視鏡的胃びらんが明らかで、病理組織学的にも胃炎像(大部分は表層性慢性胃炎)を示す112例を対象に、性別、年代別(40歳代と60歳代)、部位別(前庭部と境界部)の8区分毎にメチオニン染色による顕微鏡下の検索を行った。112例中73例(65%)にHPの感染が認められた。男性76%、女性54%、40歳代82%、60歳代45%、部位別では前庭部82%、境界部58%であった。一般住民の血清HP抗体価陽性率との相違がみられ検索対象の偏りなのか、測定法によるものなのか、また、病理組織上の差なのか、今後の検討の必要がある。
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Research Products
(1 results)