1991 Fiscal Year Annual Research Report
新しいfos関連遺伝子,fraー2の発現誘導の機構と,その遺伝子産物の機能
Project/Area Number |
03152028
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊庭 英夫 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (60111449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白木 和子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (40012744)
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Keywords | 転写制御因子 / fos / jun / fraー2 / トランスジェニックマウス / トランスドミナント変異体 / ダイマ-形成 / トランスフォ-メ-ション |
Research Abstract |
本研究の目的は,fraー2遺伝子の発現に関与するcisとtransの因子を記述することと,Fraー2の生物学的・生化学的性質を詳しく解析し,cーFosのそれと比較研究をする点にある。本年度は,研究実施計画に従って研究を行ない,以下のような重要な結論を得るに至った。 1.fraー2の発現誘導を引きおこす因子は血清以外に,TPA,Ca^<++>イオノフォア,cAMP等があり,その誘導は主として転写レベルで制御されていることが示された。転写の主要な開始部位の上流にはTATA likeな配列も存在するが,その近傍に多く存在するGC boxも,副次的な転写開始部位に関与していると考えられる。転写開始部位の上流には,SRE(serum responsive element),APー1配列に似た配列も存在する。また開始部位直後には典型的なAPー1配列が2つ存在しており,これも血清刺激による転写誘導に積極的に関与している可能性がある。 2.in vitroの転写翻訳系によって合成したFraー2はcーFosと同様にcーJunと安定なヘテロダイマ-を形成して,APー1認識配列と結合する。しかし,fraー2の転写制御活性を,F9細胞に対するtranscent expressionの系で解析した所,cーfosと明確な差異が検出された。すなわち,fraー2はcーjunとco transfectionするとcーfosの場合とは異なって転写をむしろ抑制する活性があることがわかった。 3.vーFosの変異体が,cーJunによる細胞のトランスフォ-メ-ションを抑圧しうることを前年度に示しているが,このtransdominantーnegative変異体をマウスにトランスジ-ンとして導入することを試みて成功した。現在,これをヘテロにもつトランスジェニックマウスが3系統とれ,いずれもF2がとれている。現在,これらトランスジェニックマウスの発生・分化における異常の有無について詳しく検討している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Suzuki: "High level expression of human c-jun gene caused cellular transformation of chicken embryo fibroblasts." Jpn.J.Cancer Res.82. 58-64 (1991)
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[Publications] T.yoshida: "Transcription of fra-2 mRNA and phosphorylation of Fra-2 protein are stimulated by serum." Biochem.Biophys.Res.Comimun.174. 934-939 (1991)
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[Publications] T.Suzuki: "Difference in transcriptional regulatory function between c-Fos and Fra-2." Nucleic Acids Research. 19. 5537-5542 (1991)
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[Publications] H.Okuno: "Inhibition of jun transformation by a mutated fos gene:design of an anti-oncogene." Oncogene. 6. 1491-1497 (1991)