1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03152077
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
祖父江 憲治 大阪大学, 医学部, 教授 (20112047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 潤也 大阪大学, 医学部, 助手 (70217040)
乾 誠 大阪大学, 医学部, 助手 (70223237)
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Keywords | アネキシンVI / 動的接着部 / アネキシンII / カルデスモン / カルスペクチン / src遺伝子産物 |
Research Abstract |
今年度我々は、ミオシン・カルデスモン・トロポミオシンなどアクトミオシン系の根幹をなす蛋白質がアクチンフィラメントとともに、癌細胞の動的接着部に著明に集積していることを見いだした。従来から動的接着部の活発な運動性については良く知られていたが、その運動性の物質的基盤についての知見は乏しかった。今回の我々の知見により、動的接着部の運動性がアクトミオシン系に由来することが明らかになった。また、正常細胞のストレスファイバ-に比べ、動的接着部のマイクロフィラメントは、構成蛋白質間の相互作用が弱くより不安定な構造体であることを明らかにした。また今年度は、細胞膜骨格蛋白質(ビンキュリン・タ-リン・αーアクチニン・カルスペクチン・アクチン・アネキシンII・アネキシンVI)に関する形態学的・生化学的検討もすすめた。ビンキュリン・αーアクチニン・タ-リン・アネキシンVIはアクチンとともに正常細胞では接着斑に、癌細胞では動的接着部の基質接着領域に局在していた。一方、カルスペクチンとアネキシンIIは、正常細胞ではストレスファイバ-の走行に関連して細胞膜内面に広く分布していたが、癌細胞においては動的接着部にリング状の特徴的な集積が観察された。次に、各蛋白質の発現量を蛋白質レベルで検討したところ、アネキシンVIが形質転換にともなって著明に減少していた。2次元電気泳動でアネキシンVIのアイソマ-の解析を行ったところ、正常細胞でみられる数個のアイソマ-のうち特定のアイソマ-の消失が観察された。また、アネキシンVIが試験管内で、アネキシンIIと同様にp60^<src>の基質となることを確認した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Sobue K.et al.: "Caldesmon,a novel regulatory protein in smooth muscle and nonmuscle actomyosin systems." Journal of Biological Chemistry. 266. 12115-12118 (1991)
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[Publications] Hayashi K.et al.: "Structural and functional relationships between h- and l-caldesmon." Journal of Biological Chemistry. 266. 355-361 (1991)
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[Publications] Tanaka T.et al.: "Ca^<2+>-dependent regulation of the spectrin.actin interaction by calmodulin and protein4.1." Journal of Biological Chemistry. 266. 1134-1140 (1991)