1991 Fiscal Year Annual Research Report
大久野島毒ガス傷害者にみられる気管支前癌病変の分子生物学的解析
Project/Area Number |
03152089
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山木戸 道郎 広島大学, 医学部, 教授 (50034103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津谷 隆史 広島大学, 医学部, 助手 (40217378)
石岡 伸一 広島大学, 医学部附属病院, 助手 (10191868)
長谷川 健司 広島大学, 医学部附属病院, 助手 (40172887)
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Keywords | 毒ガス傷害者 / 気管支分岐部 / 前癌病変 / DNA / Kーras / PCR / Anti BAST抗体 |
Research Abstract |
毒ガス傷害者のうち、強曝露群(イペリット・ルイサイトの製造に直接従事した者)を中心に、約60例について、気管支分岐部生検を実施した。1例について、2〜5点の分岐部より組織を採取し、194切片を得た。採取した組織は、ホルマリン固定後、パラフィン包埋した。病理組織学的診断として、異形成5例(2.6%)偏平上皮化生14例(7.2%)移行上皮化生24例(12.4%)基底細胞増生42例(21.6%)杯細胞増生43例(22.2%)を得た。これらのパラフィン包埋材料よりDNAを抽出し、Kーras遺伝子領域をPCR法により増幅した。codon12、13、61について、Dot hybridization法により点突然変異の有無を検索したが、現在まで、変異は検出されていない。検出感度の向上を図るため、S.Leviらによるdesigned primer(Cancer Research 51,3497ー3502,1991)を用い、designed RFLPs法を行い、検索を進めている。尚、p53遺伝子exon5〜8の点突然変異の有無について、PCRーDGGE法による検索を開始した。 毒ガス傷害者90例について、血清Anti BAST(Basal Aspect of Syncytiotrophoblast)抗体価を測定した。抗原として、ヒト胎盤凍結切片を用い、被検血清を一次抗体とし、RITC標識抗ヒトμ鎖抗体を二次抗体として用いた。X8以上の陽性例は、31例(34.4%)であり、広島における近距離原爆被爆者に匹敵するものであった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 粟屋 幸一: "PCR法を用いた気管支生検材料からのras遺伝子の増幅" 医学のあゆみ. 158. 112-112 (1991)
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[Publications] 前田 裕行: "毒ガス傷害者にみられたいわゆる慢性気管支炎の臨床像と気道の病理所見の対比検討" 広島医学. 44. 899-902 (1991)
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[Publications] 行武 正刀: "大久野島毒ガス傷害者の慢性呼吸器障害49剖検例の検討 病理所見の解析と臨床症状との対比から" 共済医報. 41. 25-32 (1992)
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[Publications] 石岡 伸一: "慢性気管支炎1990ー毒ガス傷害者におけるいわゆる慢性気管支炎の臨床像と気道の病理所見の対比検討" 呼吸. 11. 98-102 (1992)