1991 Fiscal Year Annual Research Report
弱部の形成・拡大過程を考慮した斜面崩壊予知法の開発
Project/Area Number |
03201127
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
河邑 眞 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (30115555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 健 岐阜大学, 工学部, 助教授 (80135326)
板橋 一雄 名城大学, 理工学部, 助教授 (30109269)
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Keywords | 繰り返し荷重 / 構造変化 / 粒子破砕 / スレ-キング |
Research Abstract |
弱部の形成および拡大過程について下記の成果を得た。 1.繰り返し荷重による構造変化を伴なう弱部の形成・拡大過程(河邑) 繰り返しせん断を受ける粒状体内の弱部の形成・拡大過程についてDEMによるシミュレ-ションを行い、初期構造の違いによる弱部の強度や体積変化特性の相違や繰り返し載荷にともなう強度の変化などを定量的に把握した。地震力による斜面内での弱部の拡大過程を調べるための模型(0.8×0.6×0.4m)を作成し、2,3の動的試験を行った。その成果は平成4年度に取りまとめる予定である。 2.圧縮力による粒子破砕を伴なう弱部の形成・拡大過程(板橋) 粒子破砕を生じ易いまさ土と泥岩を対象として、2種類の初期粒度分布を持つ供試体を作成し、圧縮試験とスレ-キング試験を実施した。両試料の圧縮による粒子破砕状況が負の二項分布によって表現でき、そのパラメ-タの間に特異な関係のあることがわかった。また、泥岩のスレ-キング試験結果による細粒化についても同様の結果を得た。 3.風化・侵食による弱部の形成・拡大過程(佐藤) 堆積軟岩の劣化を乾湿繰り返しの室内実験により再現し、その進行速度に関わる各種要因を抽出した。スレ-キングは乾燥時の温度にはほとんど影響されず、乾燥による吸水率変化が大きく寄与していることがわかった。細粒化の程度は際限なく続くのではなく、ある粒度に落ちつく傾向にある。また、その状態に到達するまでの時間は拘束圧に依存する。 本研究は2年間にわたって実施することを基本計画としている。本年度は斜面崩壊を誘発する、弱部の形成・拡大過程の基礎的検討を行った。その成果は平成4年度に実施される、弱部の強度特性などを考慮した斜面崩壊予知法の開発に対して重要な意義をもつ。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 河邑 眞 他: "繰り返しせん断を受ける粒状体の変形と配列の関係" 土木学会中部支部平成3年度研究発表会講演集. 362-363 (1992)
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[Publications] M.Kawamura,K.Itabashi,T.Sato: "Experimental study on soft rock due to wetting and drying repetitions" Proceedings of the Symposium of International Society for Rock Mechanics. (1993)
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[Publications] 板橋 一雄 他: "初期粒度の異なるまさ土の圧縮試験と粒子破砕" 土木学会中部支部平成3年度研究発表会講演会. 326-327 (1992)
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[Publications] 板橋 一雄 他: "泥岩の圧縮試験による粒子破砕特性とまさ土との比軟" 第27回土質工学研究発表会講演集. (1992)
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[Publications] 佐藤 健 他: "泥岩の風化に関する室内実験とその考察" 第26回土質工学研究発表会講演集. 1125-1126 (1991)
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[Publications] 佐藤 健 他: "乾燥繰り返し試験による泥岩のスレ-キング特性について" 土木学会中部平成3年度研究発表会講演集. 318-319 (1992)