1991 Fiscal Year Annual Research Report
交通管理運用面から見た広域道路網の災害耐久性評価法
Project/Area Number |
03201132
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
飯田 恭敬 京都大学, 工学部, 教授 (10026114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野 伸宏 京都大学, 工学部, 助手 (80232883)
内田 敬 京都大学, 工学部, 助手 (60203535)
若林 拓 大阪府立工業高等専門学校, 助教授 (00135542)
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Keywords | 自然災害 / 社会における防災力 / 広域道路網 / 災害耐久性 / 信頼性解析 / 交点法 / 交通量変動 / リンク信頼度推定モデル |
Research Abstract |
信頼性の高い道路網は,地震・水害等の自然災害が発生しても,確実で安定した交通サ-ビスを提供できるとともに,災害復旧時においても大いに機能を発揮する.このため道路網の信頼性評価は,今後の防災対策の観点からきわめて重要である.本研究では,実用性の高い広域道路網信頼性解析法を,昨年までの研究成果を基にさらに発展させた.本年度の主な成果は,(1)交点法という昨年度までに開発したノ-ド間信頼性解析法と組み合わせるための実用的なリンク信頼度推計方法を開発し,(2)リンク信頼度推計方法と交点法を組み合わせて経路交通量変化を考慮した道路網の信頼性解析法を開発したことである. 交点法とは,ノ-ド間のミニマルパスとミニマルカットのうち寄与率の高いパス・カットを選択利用して信頼度の近似値を求める効率的で新しい信頼性解析法である.きわめて高い計算効率と必要精度の確保の両立が可能である.本年度は,交通管理運営手法による交通状況の変化予測や管理運営手法の代替案比較,将来の道路利用状況予測等,利用できるデ-タがきわめて限定される条件下でも容易に信頼性解析が行えることを目的に実用的なリンク信頼度推計法を開発した.リンク信頼度推定法と交点法を組み合わせることで,より実用的な信頼性解析法となる.このモデルでは,交通量が確率的に変動するという条件のもとで,リンクの平均交通量と交通容量から交通量の変動係数の推計を介在させてリンク信頼度を決定する.この方法と上記交点法を結合しモデルの適合性を実証した.また,数量化理論I類にてリンク信頼度を推計するモデルも構築した.これらの方法では,交通フロ-の変化が信頼性に及ぼす影響を明示的に考慮できるため,実際的な道路網の整備策や運用管理方策を検討することが可能となる.現在,ロマ・プリエタ地震の被災を受けたサンフランシスコ湾岸域の道路網での実証的分析を検討している.
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[Publications] Hiroshi WAKABAYASHI: "An Efficient Evaluation Method for Road Network Reliability in Disaster" International Symposium on Natural Disaster Reduction and Civil Engineering,JSCE. 397-405 (1991)
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[Publications] Hiroshi WAKABAYASHI: "Evaluation of Reliability of Road Network for Better Performance" Advanced Management and Future Network Design,Application of Advanced Technologies in TRANSPORTATION ENGINEERING,Proc.of the 2nd International Conference. 121-125 (1991)
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[Publications] 内田 敬: "リスク対応行動を考慮した道路網経路配分の評価" 土木計画学研究・講演集. 14(1). 323-330 (1991)
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[Publications] 若林 拓史: "交通管理運用策による道路システムの信頼性向上効果" 土木計画学研究・講演集. 14(2). 51-54 (1991)
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[Publications] 飯田 恭敬: "ドライバ-の経路選択行動パタ-ンを考慮した旅行時間予測機構" 土木計画学研究・講演集. 14(1). 287-294 (1991)