1991 Fiscal Year Annual Research Report
異常堆積構造からみた過去の内陸地震による強震動発生期とその予測に関する研究
Project/Area Number |
03201204
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
前田 保夫 山形大学, 教育学部, 教授 (20219281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川辺 孝幸 山形大学, 教育学部, 講師 (00214685)
長谷見 晶子 山形大学, 理学部, 助教授 (10134149)
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Keywords | 地震性地盤運動 / 異常堆積構造 / 酒田市富士見町 / 酒田逆断層群 / 内陸地震 |
Research Abstract |
この研究は、内湾、汽水湖堆積物中に記録されている地震による異常堆積構造を検出し、放射性炭素年代測定法に基づいてその発生年代を特定することによって長周期性巨大地震の発生間隔を推定し、その予測に役立てようとするものである。調査地は、地震多発地である山形県庄内平野の酒田逆断層群に近い酒田市富士見町2丁目酒田市立富士見小学校敷地内において深度85mに達するボ-リング掘削調査を実施した。ボ-リングはオ-ルコアリング方式でトリプルサンプラ-による不攪乱試料の採取を行った。1992年1月に調査(掘削調査)を開始したため、多くの試料はコアチュ-ブ内に収納された状態で、後半の研究段階である堆積構造の観察と放射性炭素法による年代測定は今後早急に実施する運びである。 ボ-リング掘削時における堆積物の層相観察によれば、深度10mまでは泥炭質堆積物、深度41.5mまでは砂、砂〓、粘土の〓層で層相は頻繁に変化する。この2層からは海生化石群は全く認められず、微化石群集の観察によっても淡水生珪藻遺骸群より構成されていて、これらは淡水域に堆積したことを示している。わが国の完新世汽水湖中でこのような40mを超す淡水成層の形成されているのは極めて珍しい現象であり、これは、庄内平野が東西方向の圧縮応力により、沈降運動を続けた結果である。今後年代測定を行い、この地域における地震発生に深くかかわる地盤沈降速度が明らかになれば、地震発生機構を考察する重要な鍵になる。41.5m〜67mは沿岸生の貝化石を包含する海成層であり、それ以深85mまでは砂〓層から成っている。この深成層の基底深度67mは同時代の東京湾と大阪湾は、ともに40m前後であることをみれば、異常な深度であり、地震性地盤運動によりものであり、こうした情報は内陸地震の長期予測に貴重な事実を今後提供できるものと期待している。
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Research Products
(1 results)